アフリカの森の女たち
文化・進化・発達の人類学
著:ボニー・ヒューレット
他訳:服部 志帆
他訳:大石 高典
内容紹介
「ねえ、聞いて」――ある暑い午後、アメリカから来た人類学者の部屋を訪れた女性たち。
中央アフリカ共和国で隣り合って暮らす農耕民ンガンドゥと狩猟採集民アカの女性たちは、それぞれの生活、人生、「女になること」の意味を語り出す。
子どもはどのように生まれ育つのか? なぜ愛する人の死は悲しいのか?
家庭内暴力や「粗暴なセックス」はなぜ起こるのか?
閉経後の長い人生はなんのためにあるのか?
女性たちの語りと文化・進化・発達の理論から、人間の多様性と普遍的特性が見えてくる。
「ジャングルで暮らす女の生理と心理を、女の視点から初めて描いたライフヒストリー。自然の中で産む苦難と歓喜が進化の不思議を語る」――山極寿一(京都大学総長)
「日本やアメリカとはまったく異なる注目すべき女性たちについて、魅力的な視点を与えてくれる比類なき本である」――ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』)
目次
まえがき
はじめに―岐路に立つ女性の生活
第1章 森と村の世界
コラム リバーサイド・ストーリーズ(大石高典)
第2章 森と村の子どもたち
コラム 観の目の子育て(園田浩司)
第3章 良き人生の諸構成要素
コラム 健康と栄養状態から見る「良き人生」(萩野泉)
第4章 結婚と母親期―厳しくも喜びのある現実
コラム 母になるとき(四方篝)
第5章 女性であることの帰結
コラム 女としての呼び名(戸田美佳子)
第6章 世代間の繋がりと祖母たち
コラム すれ違うふたり(服部志帆)
第7章 結論―グローバリゼーションと変化の力
コラム 衣服への渇望(市川光雄)
日本語で読めるおすすめ本
原注
引用文献
[解説]
コンゴ盆地に生きる女たちの物語―狩猟採集民をめぐる生活世界の人類学(高田明)
語り,理論,物語―森の女性たちの語りに見られる,人間の普遍的特性としての「共同育児 」と「自然の教育」(竹ノ下祐二)
訳者あとがき
索引