小西増太郎・トルストイ・野﨑武吉郎―交情の軌跡
著:太田 健一
内容紹介
明治期に塩田王・野崎家の秘書を務めた小西増太郎は、神学をロシアで学び、トルストイと交流して作品の翻訳も手がけた。彼の生涯を、「野崎家文書」に基づいてたどる評伝。小西、野崎、トルストイとその子孫をめぐり、明治・大正・昭和にわたる親交の様子を新たな事実を明らかにしながら解明する。
目次
発刊にあたって 財団法人竜王会館理事長 野﨑泰彦
プロローグ
Ⅰ 出生地の岡山
謎の出生地/父亀三郎の死去/増太郎の小学校教育/小西家の水車稼業
Ⅱ 味野の野﨑邸へ
野﨑家への奉職/野﨑武吉郎の公職と増太郎の動静/騒動の体験
Ⅲ 布教と領洗
ハリストス正教の布教/小西増太郎の入信/児島教会の設立/連島教会の設立/岡山教会の設立/妹尾教会の設立/四教会懇親会の活動/柳井原教会の設立/加須山・木見・玉島村の動向
Ⅳ ニコライ堂での修業
野﨑家を辞職/ニコライ神学校での修業
Ⅴ ロシア留学
日本の出立/キエフ府での修学/学業資金の送金問題
Ⅵ トルストイとの交流
モスクワ大学入学/グロート教授に師事/トルストイとの会見/老子道徳経の共訳作業/トルストイのコムプロマイズ論/心理学会での講演と出版
Ⅶ 帰国後の活動
ニコライ堂神学校教授就任/翻訳と啓蒙活動/一冊の聖書/陸軍参謀本部へ勤務/参謀本部を解雇
Ⅷ 再び味野へ—野﨑家へ再奉職
味野にて休養/野﨑家総務部長となる/台湾調査の実施/野﨑台湾塩行支配人となる/『露西亜』の発行/奨学金貸与の審査/余/児島商船学校の設立/最後の御奉公
Ⅸ 再びロシアへ——トルストイと再会
ロシアへの旅立ち/モスクワ別邸で旧交を温む/ヤスナヤ・パリヤーナで再会/葬儀へ参列/葬儀後の足取り
Ⅹ 大正期の動静——教育界・実業界での活躍
京都で教鞭をとる/松昌洋行へ転職/日露貿易の推進/ロシア革命に直面/革命直後のロシア国情/シベリア出兵の状況/北辰会へ勤務/
関東大震災に遭遇/北辰会の解散/革命後のモスクワ訪問
Ⅺ 昭和期の動向
久原房之助に随行/著述・翻訳に専念/トルストイ三女の亡命/小西増太郎の死
エピローグ
ISBN:9784860691622
。出版社:吉備人出版
。判型:4-6
。ページ数:263ページ
。定価:2000円(本体)
。発行年月日:2007年04月
。発売日:2007年04月27日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRMB。