那岐山への旅
名付けの世界
著:高井 薫
内容紹介
岡山県にあり、かつて美作と因幡の国境の山、「那岐山」。ふもとの神社は諾神社と那岐神社、町と村の名は奈義町と旧那岐村、川は名義川、池は那岐池などがあり、奈癸、奈岐、奈木、奈義、那岐、那義 那木、名木、諾、薙、泣など、いく通りもの表記がある「なぎ」。この「那岐山」の謎に迫るべく、旅は始まった……。
目次
旅のはじめに
第一章 泣き山
1 背比べする山
2 薙ぎ山
3 さんぼたろう
4 なぎ神社
5 表記された「なぎ」─郷土史から
6 神々の坐す山
7 菅原三穂太郎満佐
8 『古事記』の中の伊耶那岐
9 神々の集う那岐山
第二章 梛と蛇
1 分祀される神々
2 なぎ神社といざなぎ神社
3 さまざまの「な」木
4 梛の木
5 梛を名に有つ神社
6 縁結びの梛の葉
7 さんぼたろうの母
8 殺される大蛇
9 大蛇の正体
10 なぎ─蛇の古語
11 蛇山─那岐山
12 さんぼたろうとさんぶたろう
第三章 隠れる「なぎ」─伊耶那岐と蛇─
1 大山に迫る影
2 大国主の命の系譜
3 『古事記』の須佐之男と『風土記』の須佐之男
4 消される伊耶那岐
5 国譲り
6 高天の原の三使者
7 事代主の命
8 建御名方の神
9 愛される大国主
10 嫌われる蛇たち
第四章 顕われる「なぎ」─那岐と奈義─
1 またしても「なぎ」とは
2 いざ・なぎ、いざな・き、いざ・な・き
3 神蛇としての伊耶那岐の神
4 海人族の進出
5 伊耶那岐・伊耶那美を祀る神社
6 山間地に住み着く人々
7 さんぼたろうの誕生
8 忘れられるさんぼたろう
9 那岐山と諾山
10 奈義山
旅のおわりに
あとがき