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高校生からわかる統計解析

著:涌井 良幸

紙版

内容紹介

いまや、生活や仕事、研究で扱うデータだけでなく、見るもの聞くもの、世の中にあるあらゆるデータが統計学の対象となっています。そこから豊かな知見を取り出せるか否かは研究機関や企業はもとより我々個々人の死活問題になっています。「数学という道具を上手に使って、入手したデータから有意義な情報を絞り出す理論」が統計学であるのなら、その「統計学を使って実際にデータの分析を行なえるようにする」のが統計解析です。
本書は、いまや古典的統計学と呼ばれるようになったフィッシャー、ネイマン、ピアソンらが確立した推測統計学と、現代主流になりつつあるベイズ統計学、それに、よく使われている多変量解析をメインとした入門書です。



目次
プロローグ 統計学を学ぶ前に
第1章 統計学の基礎知識
第2章 伝統的統計学のための確率
第3章 統計的推定~一を聞いて十を知る
第4章 統計的検定~仮説が正しいかどうかを判断する
第5章 ベイズの確率論~経験をもとに判断する
第6章 ベイズ統計学~ベイズの定理を唯一のよりどころにする
第7章 ベイズ統計学と推定、 検定
第8章 相関分析~二つの変量の関係を探る
第9章 回帰分析~一つまたは複数の変量から他の変量を予測
第10章 数量化理論~質的データを分析する

目次

プロローグ 統計学を学ぶ前に
0-1 統計解析とは
0-2 統計学の分類
0-3 統計解析を概観してみよう
0-4 統計解析は計算の塊だが
0-5 統計学の歴史を紐解くと

第1章 統計学の基礎知識
1-1 統計学の素材は生データ
1-2 量的データと質的データ
1-3 資料は表に整理すると特徴がわかる
1-4 グラフ化すると分布が一目瞭然
1-5 分布の特徴を一つの数値で表現
1-6 データを平らに均した平均値
1-7 データを大小に並べた真ん中が中央値
1-8 最もありふれたデータが最頻値
1-9 散らばり具合を一つの数値で表現
1-10 分散は情報量の目安
1-11 単位をもとの世界に戻した標準偏差
1-12 標準化で同一規格

第2章 伝統的統計学のための確率
2-1 推測統計学の土台は確率の考え
2-2 実験してわかる統計的確率
2-3 数学モデルを扱う数学的確率
2-4 確率でよく使われる言葉と記号
2-5 試行の独立を式で表現
2-6 確率変数で確率現象を数学の俎上に
2-7 統計学の母体となる確率分布
2-8 確率変数の平均値と分散
2-9 確率変数の独立とは
2-10 和の確率変数の平均値と分散
2-11 正規分布は確率分布の女王
2-12 無作為抽出は推測統計学のキモ
2-13 戻すか、戻さないか~復元抽出・非復元抽出
2-14 標本から生まれるいろいろな分布~母集団分布と標本分布
2-15 標本平均の分布は正規分布~中心極限定理

第3章 統計的推定~一を聞いて十を知る
3-1 統計的推定とは
3-2 一つの値で予測する点推定
3-3 予測に幅をもたせる区間推定
3-4 信頼度 95%の深い意味
3-5 推定に使う統計量には条件が必要
3-6 変数の変化の度合いが自由度
3-7 母平均の推定(その1)~大標本の場合
3-8 母平均の推定(その2)~小標本の場合
3-9 母比率の推定
3-10 母分散の推定

第4章 統計的検定~仮説が正しいかどうかを判断する
4-1 統計的検定とは
4-2 仮説の採否を決める棄却域
4-3 検定における二つの誤ち
4-4 検定手順のマニュアル化
4-5 母平均の検定(その1)~大標本の場合
4-6 母平均の検定(その2)~小標本の場合
4-7 母比率の検定
4-8 母分散の検定
4-9 ノンパラメトリック検定

第5章 ベイズの確率論~経験をもとに判断する
5-1 ベイズ理論の土台は条件付き確率
5-2 条件付き確率を変形した「乗法定理」
5-3 「ベイズの定理」の誕生
5-4 周辺尤度に「全確率の定理」
5-5 使いやすい「ベイズの展開公式」
5-6 「理由不十分の原則」で柔軟に対処
5-7 経験するたびに「ベイズ更新」
5-8 経験の順序を問わない「逐次合理性」
5-9 ナイーブベイズ分類~ベイズの定理の応用
5-10 べイジアンネットワーク~ベイズの定理の応用

第6章 ベイズ統計学~ベイズの定理を唯一のよりどころにする
6-1 ベイズ統計学では母数は確率変数
6-2 ベイズ統計学の基本公式(Ⅰ)~母数が離散的確率変数の場合
6-3 ベイズ統計学の基本公式(Ⅱ)~母数が連続型確率変数の場合
6-4 ベイズ統計学の基本公式(Ⅲ)~ベイズの定理の簡略形
6-5 自然共役事前分布で計算の合理化
6-6 MCMC法で積分計算の軽減

第7章 ベイズ統計学と推定、 検定
7-1 ベイズの点推定
7-2 MAP推定法
7-3 ベイズの区間推定
7-4 ベイズの検定

第8章 相関分析~二つの変量の関係を探る
8-1 二変量の関係を座標平面で視覚化~相関図(散布図)
8-2 二変量の相関関係を正負で判断~共分散
8-3 相関の度合いを -1以上1以下で表現~相関係数
8-4 二変量の関係を表で視覚化~クロス集計表

第9章 回帰分析~一つまたは複数の変量から他の変量を予測
9-1  一つの変量から他の変量を予測する~単回帰分析
9-2 予測の精度は~決定係数
9-3 複数の変量から他の変量を予測する~重回帰分析

第10章 数量化理論~質的データを分析する
10-1 アンケートの分析に役立つ統計学~数量化理論
10-2 質的データから量的データを説明~数量化Ⅰ類
10-3 質的データから質的データを説明~数量化Ⅱ類

著者略歴

著:涌井 良幸
1950年、東京都生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)数学科を卒業後、高等学校の教職に就く。現在はコンピューターを活用した教育法や統計学の研究を行なっている。 【著書】『多変量解析がわかった!』『道具としてのベイズ統計』(日本実業出版社)、『統計学図鑑』(技術評論社)、『「数学」の公式・定理・決まりごとがまとめてわかる事典』『高校生からわかるベクトル解析』『高校生からわかる複素解析』『高校生からわかるフーリエ解析』(ベレ出版)ほか。

ISBN:9784860646943
出版社:ベレ出版
判型:A5
定価:2200円(本体)
発行年月日:2022年06月
発売日:2022年06月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PBT