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検証・ダイオキシン汚染

著:川名 英之

紙版

内容紹介

「史上最高・最悪の毒物といわれるダイオキシンは、発がん性、催奇形性、生殖毒性、免疫毒性を持ち、さまざまな健康被害を発生させる。しかし日本ではなんら対策をとらず、13年間も無為無策に終始した。このためゴミ消却によるダイオキシン汚染は世界一ひどい状況となっている。本書は、こうした現状を総括し、緊急対策を提言する。

目次

第1章 世界に類のない激甚汚染
欧米の大気の10倍の汚染度
激甚汚染で紛争招いた焼却炉
産廃焼却炉集中地域の悲惨
住民運動で得た初の条例
ダイオキシンとは何か
一刻の猶予もならぬ緊急事態

第2章 生殖機能を損なうダイオキシン
衝撃的な若者の精子数激減
急増している子宮内膜症
「環境ホルモン」への取り組み
増加する「化学物質過敏症」
こうして進められた環境ホルモン研究

第3章 ダイオキシンに無策13年
著しく立ち後れた日本の対策
問題多い専門家会議の報告
汚染源判明後13年の無策
市民運動の進展と厚生省の対応
成果おさめた学校焼却炉廃止
20年後の発生ゼロの対策

第4章 大事件から学ばなかった日本
被害の恐さを実証した「枯れ葉剤」
今なお続く「枯れ葉剤」被害
ラブ・カナル事件とセベソ事件
欧州のダイオキシン汚染問題
日本の「ダイオキシン経験」

第5章 汚染を放置した廃棄物行政
世界一のゴミ焼却・毒物排出量
不法投棄を生む法の不備
香川県公認の豊島不法投棄
「業者が恐くて不法を黙認」
産廃処理費の排出者負担
ずさんな消却灰処理の実態

第6章 模範とすべきドイツの対策
ゴミ行政批判勢力の台頭
ゴミを極力焼却しない政策
回収・再利用を業者の義務に
「循環経済・廃棄物法」とゴミの減量
ドイツの対策の影響と意義

第7章 塩ビの生産・焼却を禁止せよ
誇張でない人類滅亡の危機
塩ビ製品の生産・消却禁止を急げ
塩ビをどのように規制するか
今こそ廃棄物行政を大転換せよ
緊急に取り組むべき対策

ダイオキシン・環境ホルモン問題関連年表

著者略歴

著:川名 英之
環境ジャーナリスト
 千葉県生まれ。1959年 東京外国語大学ドイツ語科卒、毎日新聞社に入社、1963~1964年、ウイ―ン大学へ文部省交換留学。社会部に所属し、主に環境庁・環境問題を担当。1985年に編集委員。89年に立教大学法学部非常勤講師。90年、毎日新聞社を退職し、環境問題の著述に専念。この間、津田塾大学国際関係学科などの非常勤講師。 
 [主な著書] 日本の公害・環境問題の歴史の初の通史『ドキュメント 日本の公害』全 13巻(緑風出版、1987~96年)。『資料「環境問題」地球環境編』(日本専門図書出版、2000年)。『検証・デイーゼル車公害』(緑風出版、2001年)、『杉並病公害』(緑風出版、2002年)、『検証・カネミ油症事件』(緑風出版、2005年)など多数。

ISBN:9784846198138
出版社:緑風出版
判型:4-6
ページ数:408ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:1998年07月
発売日:1998年07月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQ