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検証・大規模林道

編著:『検証・大規模林道』編集委員会

紙版

内容紹介

林業開発のためという名目で、山間部に完全舗装2車線の大規模林道開発事業が進められてから半世紀ほどになる。道路建設は山を崩し、谷を埋め、自然生態系を破壊する。全国で市民が建設反対運動に立ち上がり、各地で建設は阻止される。ムダな公共工事は税金をドブに捨て、談合と汚職で緑資源機構は遂に解体される。しかし、一部は生き残り、今また建設が続く。本書は、大規模林道問題全国ネットワークの元メンバーが、大規模林道問題とその反対運動の歴史と現在を検証・総括する。

目次

発刊にあたって(原敬一:葉山の自然を守る会)
大規模林道問題全国ネットワーク集会の記録(新野祐子:葉山の自然を守る会)
全国ネットワーク結成まで
全国ネットワーク集会の歩み
北海道の大規模林道(寺島一男:大雪と石狩の自然を守る会)
はじめに
変転した大規模林道計画
突き崩された事業推進の論拠
立ちはだかった壁
背中を押してくれた「緑の医師団」
剥がれ落ちた衣
重要な現地調査
冬の時代を乗り越えて
未曾有の大惨事
最後の山場を迎えて・おわりに
岩手の大規模林道(奥畑充幸:早池峰の自然を考える会)
大規模林道との出会い
費用対効果分析
全国大会
地質学者の警鐘
官製談合
今、北上山系の森は
北上山系開発
東日本大震災
ブナ帯からの反撃─山形の大規模林道阻止闘争(原敬一:葉山の自然を守る会)
葉山について
1 葉山の自然を守る会結成以前
2 阻止闘争第一期(一九八六年〜九〇年)
3 阻止闘争第二期(一九九一年〜九五年)
4 阻止闘争第三期(一九九六年〜九八年)
5 中止が決まってから・153
葉山神の怒り
福島の大規模林道─ブナの森の叫び!(東瀬紘一:博士山ブナ林を守る会)
一 福島原発事故と森林
二 大規模林道(山のみち)の見直しについて
三 博士山麓林道大滝線の問題について
富山の大規模林道(増田準三:元立山連峰の自然を守る会)
高山・大山線(有峰線)
朝日・大山線
大山・福光線
おわりに
広島の大規模林道(金井塚務:広島フィールドミュージアム)
一 はじめに
二 要望・要請の運動(市民を巻き込んだ大衆運動)
三 環境保全調査検討委員会を監視する
四 強制力を持つ運動へ
五 監査請求から住民訴訟へ
六 形式敗訴・実質勝訴の判決
七 大規模林道問題は終わっていない
四国の「大規模林道という幽霊」(西原博之:愛媛自然誌研究会)
大規模林道との出会い
歓迎一色
大規模林道延命の理由付け
地元は支持しているのか
林業のない村に大規模林道が
必要な環境アセスメント法改正
愛媛で全国集会を開催
政官業の癒着にまみれた緑資源機構(臺宏士:フリーランス・ライター)
官製談合で廃止
公取委は三〇一件を認定
二一業者を行政処分
元機構理事に有罪判決
元公団理事が考案
「専門性」を強調
機構本体は不問
「談合金」疑惑
現職閣僚ら三人が自殺
一四県で継続
生き延びる大規模林道(樋口由美:葉山の自然を守る会)
むすび(加藤彰紀:大規模林道問題全国ネットワーク元事務局長)
大規模林道問題年表

著者略歴

編著:『検証・大規模林道』編集委員会
原 敬一 葉山の自然を守る会代表(山形県白鷹町)
新野裕子 葉山の自然を守る会事務局長(山形県白鷹町)
寺島一男 大雪と石狩の自然を守る会代表(北海道旭川市)
奥畑充幸 早池峰の自然を考える会代表(岩手県宮古市)
東瀬紘一 博士山ブナ林を守る会会長(福島県会津美里町)
増田準三 元立山連峰の自然を守る会(富山県富山市)
金井塚努 広島フィールドミュージアム代表(広島県廿日市市)
西原博之 愛媛自然研究会(愛媛県松山市)
臺 宏士 フリーランス・ライター/『ルポ・東北の山と森』他
樋口由美 葉山の自然を守る会(山形県白鷹町)
加藤彰紀 大規模林道問題全国ネットワーク元事務局長(千葉県市川市)

編集協力者
堀田正人 リバークラブ(東京)
柴田郁代 リバークラブ(東京)b

ISBN:9784846116132
出版社:緑風出版
判型:4-6
ページ数:312ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2016年07月
発売日:2016年07月07日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TVR