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なぜ遺伝子組み換え作物に反対なのか

「セラリーニ事件」は転換点となるか

著:ジャック・テスタール
訳:林 昌宏

紙版

内容紹介

仏カーン大学のジル=エリック・セラリーニ研究チームが2012 年に発表した、遺伝子組み換えトウモロコシならびに、このトウモロコシが耐性をもつ除草剤の毒性を証明したは衝撃的である。この報告書によって私たちは、遺伝子組み換え作物の安全性についてさらに疑問を深くした。
本書の目的は、私たちがまったく必要としないモノを、私たちに押し付けようとする人々の戦略を暴露することにある。遺伝子組み換え作物のリスク便益の評価方法は、医薬品と同様の手続きを踏むべきだ。こうした疑問に対し、推進側が従来の安全論や食糧問題の解決といった夢物語に終始するのなら、私たちは疑問の投げかけ方を変えてみよう。「遺伝子組み換え作物は、一体誰の利益になるのか」。

目次

巻頭言
はじめに
第1章 今日の遺伝子組み換え生物(OGM)
1 Les OGM aujourd’hui
GMOとGM作物
評価と審査
経済的な観点
第2章 どうして遺伝子組み換え作物(GM作物)なのか
2 Porquoi des plantes transgéniques(PGM)?
DNAが生命を司るというイデオロギー
時代遅れのテクノロジー
第3章 「セラリーニ事件」
3 L’affaire Séralini
誰もが感じていたが前代未聞の議定事項
組織化された冗長な反応
第4章 民主主義に照らし合わせてGM作物を考える
4-Mettre les PGM en democratie
審査システムを変革する
審査から決定まで:国民の立場
結論

付録:セラリーニの実験の概要 林昌弘
訳者あとがき
原題の意味
著者と原出版社
新自由主義と遺伝子組み換え作物
消極的賛成
遺伝子組み換え作物に反対する理由
科学と民主主義

著者略歴

著:ジャック・テスタール
1939年生まれ。72年にフランス初の牛の胚移植および代理母出産に成功。82年にフランス初のヒトの体外受精に成功。86年には、冷凍受精卵による胚移植、94年に精子注入法による顕微授精にそれぞれフランス初の成功。フランス国立医学研究所(INSERM)の主任研究員などを歴任。フランスにおける生殖医療の第一人者。自然科学だけでなく、政治・経済についても積極的に発言してきた。学術論文以外にも、一般向けのエッセイや小説を多数執筆。邦訳されているものには、『透明な卵―補助生殖医療の未来』(小林幹生訳、法政大学出版局、2005年)がある。
訳:林 昌宏
1965年、愛知県生まれ。立命館大学経済学部卒業。翻訳家として多くの話題作を提供。訳書は、ベルトラン・ジョルダン『人種は存在しない』『自閉症遺伝子』(以上、中央公論新社)、ダニエル・コーエン『経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える』、ジャック・アタリ『21世紀の歴史』(以上、作品社)、ドミニク・カルドン『インターネット・デモクラシー』、アクセル・カーン『モラルのある人は、そんなことはしない』(以上、トランスビュー)、エスピン・アンデルセン『アンデルセン、福祉を語る』(NTT出版)など多数。

ISBN:9784846113247
出版社:緑風出版
判型:4-6
ページ数:108ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2013年12月
発売日:2013年12月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KN
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:TVK