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朝日連峰の自然と保護

著:石川 徹也

紙版

内容紹介

山形県と新潟県の県境に位置する朝日連峰は、雄大な山と谷の織りなす山岳景観美に加え、原始性をいまだに保つ豊かな生態系を有している。広大なブナ林は、白神山地のそれを凌ぐことはあまり知られていない。山を覆うそのブナ林が伐採され、山岳を破壊する大規模林道が建設されはじめた。またダムが建設され山村集落が消滅していく。
本書は、現地を長期間にわたって取材してきたジャーナリストが、ブナ林伐採問題、大規模林道建設反対運動、そして奧三面ダム開発といった問題を中心に、朝日連峰の自然と民俗の変遷、開発とそれに対峙した自然保護運動を総括する。

目次

プロローグ
朝日連峰
原始性保つ生態系
未だ荒らされていない山

第一章 ブナ林保護運動の黎明 大井沢“最後のマタギ〟
大井沢──マタギとブナ林
ブナ林の大伐採
ブナ林伐採反対運動の始まり
ブナ林保護運動のさきがけ
伐採中止へ

第二章 大規模林道開発と反対運動
朝日連峰核心部での工事の実態
金目川源流域へ
ブナの楽園と砂に埋まる川
大規模林業圏最上・会津山地構想
「朝日・小国区間」の問題点
計画ルートの変更と着工
葉山に生きる
山岳修験と朝日岳
朝日川流域の修験拠点・大沼
「葉山の自然を守る会」の設立
大規模林道反対運動の精神支柱──「まつろわぬ民」の闘いとは
大規模林道反対闘争の論点
反対運動の広がり
〝ブナ帯からの反撃〟の勝利
ブナ林の価値
森林生態系保護地域の是非
朝日連峰の指定まで

第三章 山岳無人地帯の拡大─奥三面ダム建設と三面集落の集団移転
第一節 三面の電源開発と集団離村
秘境・三面
新潟県の水力電源開発と只見川電源開発
三面川総合開発
三面川総合開発第二期工事
奥三面ダム建設と集団離村
第二節 山を下った住民と山の民俗の変容
自給的生活から消費的生活へ
マタギの村との出会い
開発と山の民俗
三面川の民俗の変容
二〇〇六年
移転時の区長
山人への敬意
第三節 ブナ林開発と三面川の変容
朝日スーパー林道
明治の鉱山開発
大鳥街道整備とスーパー林道
ブナ天然林の伐採
森林伐採の理由
ブナ林伐採の三面川への影響
川、海に及ぼす森の価値
三面川の今
第四節 見直される三面の価値
注目される縄文時代の遺跡
奥三面遺跡の語るもの
奥三面ダムへ

主要参考文献
あとがき

著者略歴

著:石川 徹也
1963年生まれ。新聞記者。早大教育学部卒業後、東京新聞(中日新聞社)入社。学生時代から国内外の山を旅する。新聞記者や山岳専門誌「岳人」記者等を経て、開発や自然保護問題を現場に踏み込んだルポを数多く発表。その後、成城大学大学院文学研究科で民俗学修士号取得。開発によって変容する山の民俗文化の危機を検証した「開発の民俗学に関する研究」を修士論文にまとめ、その成果を元に2011年に『山を忘れた日本人』(彩流社)を出版した。主な著書に『日本の山を殺すな!』(宝島社文庫)、『ルポ・日本の川』(緑風出版)、『日本の自然保護』(平凡社新書)、『森が滅びる――林道とダム開発現場を行く』(三一書房)等がある。

ISBN:9784846111205
出版社:緑風出版
判型:4-6
ページ数:184ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2011年12月
発売日:2011年12月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQ