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チェルノブイリと福島

著:河田 昌東

紙版

内容紹介

私が2年間、「チェルノブイリ救援・中部」とともに救援活動をしてきて、あの大事故から学んだことは何か。それは原発事故による放射能被曝による結果、人体に起こるのは、そのほとんどが内部被曝が原因の疾病だということです。甲状腺癌や白血病から心臓病、免疫力低下、先天異常までさまざまです。
大気も土も水も放射能で汚染されてしまったチェルノブイリと福島。本書はチェルノブイリ事故と福島原発災害を比較検討し、福島原発事故が引き起こしつつある土壌汚染や農作物、飼料、魚介類、水などの放射能による汚染、そして外部・内部被曝による人間への影響を考えます。また放射能汚染下で生きざるをえなくなった中で、汚染除去や被曝低減対策など暮らしの中の被曝対策を提言します。

目次

第一章 福島原発震災とチェルノブイリ事故
震災現場を訪れて
チェルノブイリ事故
チェルノブイリの石棺
福島第一原子力発電所の構造
福島原発では何が起きているか
不十分な情報公開
やっかいな単位をわかりやすく
時々刻々広がる汚染
チェルノブイリの放射能
福島原発事故による地球汚染
チェルノブイリの教訓─内部被曝と外部被曝を検討する
内部被曝と外部被曝
内部被曝はなぜ起こるか
内部被曝の検討─一六年目のチェルノブイリ  内部被曝により引き起こされる疾患
数え切れない食品汚染
日本の基準、ウクライナの基準
シーベルトの落とし穴
酷くなる海洋汚染
放射能に汚染した汚泥をどう処分するか
続く事故処理作業員の苦難
被曝線量を恣意的に動かす政府
汚染の推移を読み解く
これから自然界で起こること
浜岡原発運転停止を考える

第二章 放射能汚染下でどう生きるか
風下で起こること─今、必要なのは
チェルノブイリの汚染と福島
「予防原則」の導入が必要
土壌の除染が必要─校庭・園庭・公園・歩道・遊具など
農地の汚染対策
暮らしの中の被曝対策、その一─外部被曝
生活被曝線量を測る/通学路の除染/汚染した土地での農業─表土   剥離が困難な場合/葉面撒布は要注意/畜産物の汚染と対策
暮らしの中の被曝対策、その二─内部被曝
飲料水の除染
暮らしの中の被曝対策、その三─内部被曝
食べ物
放射能汚染地域における農業復興の試み─ナロジチ再生・菜の花プロジェクト
ナタネ油でバイオディーゼル(BDF)生産
ヒマワリ・プロジェクトの行方
バイオエネルギーの可能性について

おわりに─日本政府への提言

著者略歴

著:河田 昌東
1940年 秋田県生まれ
2004年 名古屋大学理学部定年退職
現 在  NPO法人チェルノブイリ救援・中部理事
     遺伝子組換え情報室代表
専 門  分子生物学、環境科学

活動暦
1969年~1982年 四日市公害裁判・藤原町セメント公害裁判の支援運動に参加
1980年~ 東南アジアでの公害調査。三重県芦浜原発建設反対動に参加
1990年 参議院予算委員会でフィリピンの公害について証言
1990年~ チェルノブイリ原発事故被災者の救援活動に参加、現在に至る
1995年~ 遺伝子組換え問題に関わり現在に至る
2009年5月 カルタヘナ議定書締約国会議(MOP5)市民ネットワーク共同代表
2011年4月~ 福島原発事故被災者の救援運動

ISBN:9784846111199
出版社:緑風出版
判型:4-6
ページ数:164ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2011年11月
発売日:2011年11月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:MJ