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9・11の矛盾

9・11委員会報告書が黙殺した重大な事実

著:デヴィッド・レイ・グリフィン
訳:加藤 しをり
訳:きくち ゆみ

紙版

内容紹介

9・11事件の真相を解明する『9・11委員会報告書』が2004年に公表された。しかしこの公式最終報告書は、事件当時報道された政府機関・公的機関などの説明、公人や当事者の証言、映像などの事実とあまりに多くの点で重大な矛盾、食い違いがある。また公人や当事者が見解を変えるなどの自己矛盾が数多くある。
本書は、9・11事件に関する膨大な報道記録と資料を調べ上げ、客観的に事実関係を綿密に比較分析し、主要な25項目にしぼって、矛盾を検討し、米国議会とマスコミに対し、それについての説明と真相の解明を求めている。予断を排し、科学的・論理的視点から事実に迫る内容は、9・11事件の本質を浮き彫りにする。

目次

序文
第1部 ブッシュ政権とペンタゴン幹部に関する疑問
 第1章 ブッシュ大統領は何時まで教室にいたのか
  事件一周年目のホワイトハウスの説明/それ以前の説明と録画映像/矛盾への対応
  考え得る動機/結論
 第2章 チェイニー副大統領はいつ地下のバンカーに入ったのか
  チェイニーが早く到着したというミネタの報告/チェイニーの早い到着を支持する報道
  チェイニーの遅い到着を主張する9・11委員会/到着時刻の中間説/矛盾への対応/結論
 第3章 チェイニーは迎撃待機命令を確認したのか
  ミネタの証言/疑惑を絶つ/バンカーへ下りていった時刻の修正/接近する飛行機のもう一つの説明
  結論
 第4章 チェイニーは全航空機着陸命令の発令を見ていたのか
  ミネタが命令を出したという報告/スライニーが命令を出したという報告/矛盾への対応/結論
 第5章 チェイニーはいつ撃墜許可を出したのか
  『9・11委員会報告書』の説明/リチャード・クラークの説明/将校たちの説明/矛盾への対応
  結論
 第6章 マイヤーズ空軍大将はどこにいたのか
  マイヤーズ大将と9・11委員会の説明/リチャード・クラークの説明/軍秘書官の証言
  矛盾への対応/マイヤーズ対マイヤーズ/マックス・クレランド議員の承認/結論
 第7章 ラムズフェルド国防長官はどこにいたのか
  リチャード・クラークの説明/ラムズフェルドの9・11委員会での証言
  ラムズフェルドが行ったのは幹部支援センター(ESC)か国家軍事指揮センター(NMCC)か
  ラムズフェルドが交戦規定を討議したのは何時か/ラムズフェルドはなぜ攻撃地点へ行ったのか/結論
 第8章 オルソン訟務長官は妻のバーバラから電話を受けたのか
  テッド・オルソンの自己矛盾/オルソンの最終的な説明とアメリカン航空との食い違い
  オルソンの説明とFBIとの食い違い/結論
第2部 米軍に関する疑問
 第9章 軍はいつ一一便の緊急事態を知ったのか
  ジョー・クーパー管制官の通報時刻に関する矛盾/第一報は八時二〇分頃?/結論
 第10章 軍はいつ一七五便の緊急事態を知ったのか
  NORADの当初の見解/9・11委員会の見解/矛盾する報告/矛盾への対応/結論
 第11章 軍はいつ七七便の緊急事態を知ったのか
  二〇〇一年九月から二〇〇四年五月までのNORADの見解/NORADの当初の見解と矛盾する報道
  9・11委員会の見解/矛盾への対応/結論
 第12章 軍はいつ九三便の緊急事態を知ったのか
  NORADの当初の見解/9・11委員会の見解/矛盾する報告/結論
 第13章 軍が九三便を撃墜したことはあり得るか
  九三便の撃墜はあり得ないという9・11委員会の三つの論点
  軍はいつ九三便のハイジャックを知ったのか/撃墜許可はいつ出たのか
  軍のジ ェット戦闘機はユナイテッド九三便に対して撃墜態勢を取っていたか
  ユナイテッド航空九三便はいつ墜落したのか/結論
 第14章 9・11事件のような攻撃は想定されていたか
  9・11事件のようなタイプの攻撃は想定しなかったという主張/矛盾する発言
  二〇〇四年も続いた政府の主張/矛盾への対応/結論
第3部 オサマ・ビン・ラディンとハイジャック犯たちに関する疑問
 第15章 モハメド・アタたちは敬虔なイスラム教徒だったのか
  イスラム教が禁じる姦淫と深酒の報告/九月七日(金曜日)の “シャッカムズ” でのエピソード
  アルコールとセックスライフに関する矛盾/二〇〇一年、アタがヴェニスでストリッパーと同棲という報道
  アタとアマンダ・ケラーに関するダニエル・ホップシッカー記者の説明
  アタはその後もヴェニスで目撃されている/アタの所在に関する食い違いへの9・11委員会の対応
  結論
 第16章 当局はアタの情報の宝庫をどこで見つけたのか
  二つのミステリー ポートランドへの迂回とアタの荷物/当初の報道 ボストンとブハーリ兄弟
  ある訂正/最終バージョンの登場/ミステリーと矛盾
  新たな矛盾 九月一〇日にアタがニューヨークにいたという報道
  矛盾への対応/結論
 第17章 ハイジャック犯の存在を知らせた電話は携帯だったのか
  ユナイテッド航空一七五便からの電話に関するマスコミ報道と9・11委員会の報告
  アメリカン航空七七便からの電話に関するマスコミ報道と9・11委員会の報告
  ユナイテッド航空九三便からの電話に関するマスコミ報道と9・11委員会の報告
  飛行機からの電話に関する二〇〇六年のFBI報告書/FBIへのいくつかの疑問
  結論
 第18章 ビン・ラディンを首謀者とする確証はあるのか
  9・11委員会の見解/ブッシュ政権は確たる証拠を提示したか
  ブレア政権はビン・ラディンの責任を示す確証を公開したか/FBI「確たる証拠はない」
  9・11委員会は確たる証拠を提示したか/結論
第4部 ペンタゴン攻撃に関する疑問
 第19章 ハニ・ハンジュールはペンタゴン攻撃機を操縦し得たか
  七七便の軌跡/ハンジュールの無能力に関する報道/9・11委員会の矛盾への対応
  矛盾への対応 ポピュラーメカニクス誌の場合/結論
 第20章 何がCリングに穴をあけたのか
  当初の説明/問題/公式報告/ポピュラーメカニクスの新解釈/証言と食い違う報告
  結論
 第21章 ペンタゴン攻撃の時刻、ワシントン上空にいたのは空軍機か
  ペンタゴンが攻撃される前に、ワシントン上空で目撃された謎の飛行機/当局の沈黙と否定
  二〇〇七年九月一二日にCNNが暴露報道/E-四B/E-四Bはいつからワシントン上空にいたのか
  公式否認の意味/リー・ハミルトンと9・11委員会/結論
第5部 世界貿易センター(WTC)の倒壊に関する疑問
 第22章 ジュリアーニ市長はタワーの倒壊をなぜ事前に知っていたのか
  ジュリアーニの発言とその後の説明/専門家の証言と歴史的経験/グランドゼロでの予想
  矛盾への対応/結論
 第23章 WTCツインタワーで爆発はあったのか
  9・11委員会と国立標準技術院(NIST)の見解/消防士たちの証言
  救急医療関係者と警察官の証言/世界貿易センターの従業員たち/テレビの9・11報道
  翌日の新聞記事とテレビ報道/矛盾への対応/結論
 第24章 WTC第七ビルで爆発はあったのか
  公式の否定/WTC第七ビルでの爆発の報告/マイケル・ヘスとバリー・ジェニングズの報告
  ヘスとジェニングズの証言に対するNISTの対応
  ヘスとジェニングズの証言に対するジュリアーニの対応/崩壊の事前情報
  第七ビルを倒壊させるという証言/爆発に関する疑問の再考/結論
 第25章 WTCの瓦礫に鋼鉄の溶解を示す証拠はあったのか
  溶解した鋼鉄の目撃報告/問題点/問題への対応/鋼鉄の硫化、酸化、蒸発/矛盾への対応/結論
要約と結論
訳者あとがき
原注
凡例
資 料
 資料Ⅰ 本書に基づく時系列表
 資料Ⅱ 諸機関の概要と主な登場人物
  諸機関の概要/主な登場人物
 資料Ⅲ 地図および写真
 資料Ⅳ インターネット検索初心者の方々に捧げる、簡単ネット検索法

著者略歴

著:デヴィッド・レイ・グリフィン
1939年生まれ。1970年にクレアモント神学院で博士号。1973年から2004年までフルタイムの大学教員。師であるジョン・B・カブとともにプロセス神学の代表的な研究者として知られる。現在クレアモント神学院名誉教授。退職頃から、9・11事件をめぐる疑惑について調査と発言を始める。著書、編著多数(訳者あとがきを参照)。
訳:加藤 しをり
奈良県出身、旧大阪外国語大学フランス語学科卒業。翻訳家。技術翻訳も多数手がけてきたが、出版翻訳ではエンターテイメントやロマンス小説を中心に美術書、医学書など100タイトル超。『女性刑事』、『イリュージョン』、『虐待 ダイナとセレストとわたし』(以上講談社)、『愛と裏切りのスキャンダル』(扶桑社)、『分裂病は人間的過程である』(共訳、みすず書房)、『レンブラント・エッチング全集』(三麗社)など。
訳:きくち ゆみ
1962年東京生まれ。お茶の水女子大学卒。グローバルピースキャンペーン発起人。千葉県鴨川で自給的生活の場・ハーモニクスライフセンターを運営。マスコミ・金融界を経て、1990年より環境をテーマに、2001年より平和・環境・健康をテーマに執筆、講演、イベント企画などに携わる。著書は『地球と一緒に生きる』『地球を愛して生きる』(八月書館)、『ハーモニクス・ライフ 自然派生活のすすめ』(共著、 合同出版)ほか。訳書は『9・11事件は謀略か』(共訳、緑風出版)『戦争中毒』(合同出版)ほか。

ISBN:9784846110055
出版社:緑風出版
判型:4-6
ページ数:552ページ
定価:3400円(本体)
発行年月日:2010年06月
発売日:2010年06月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:JBF