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金持ちが地球を破壊する

著:エルヴェ・ケンプ
訳:北牧 秀樹
訳:神尾 賢二

紙版

内容紹介

世界の最富裕者500人の収入は、世界の最貧困者4億人の全収入を上回る。世界の大富豪の792人の所得は全開発途上国対外借款総額に相当する。世界人口の2割が世界の富の8割を消費している。
反対に世界では28億人が飢餓と栄養失調で苦しんでいて、20億人が1日2ドル以下で生活している。世界の貧困者30億人のうち10億人が都市部の貧民窟で暮らしている。孤児は1億2000万人。世界の農業生産高は人口増加よりも上回っているのにである……。金持ちの成長主義は地球温暖化を加速し、極地の氷や氷河を溶かし、異常気象や海面上昇を惹起し、新たな病原菌を蔓延させる。
すでに手遅れなのか? どうすればいいのか? 本書は、その危機の元凶が世界の経済と政治をオリガルキー(寡頭支配)する大金持ちにあることを明らかにし、より少ない消費と、より良き分配こそが人類と地球を救うことを明らかにする。

目次

第一章 大異変。さあ、どうする?
 目標──被害を最小限にとどめる
 もし気候が暴走したら
 恐竜時代以来初めて
 私たちは、みんな鮭だ
 地球はもう回復しない
 気候変動は、地球的危機の一局面である
 石油ショックがやって来る
 大異変のシナリオ
 核心的問題
第二章 環境危機、社会危機
 貧困が戻ってきた
 貧困のグローバル化
 金持ちが常に儲かるようにできている
 世界的オリガルキーの誕生
 貧乏を減らすには、金持ちを減らす
 忘れられた貧しさ:環境の貧困
第三章 世の勢力者たち
 世界的強欲集団
 閉ざされた城門
 孤独なピエロたち
 盲目のオリガルキー
第四章 いかにしてオリガルキーが環境危機を激化させるか
 生産を上げる必要はない
 上流階級が時代の生き方を決める
 飽くなき競争心
 新ノーメンクラツーラはどこまで行くのか
 アメリカの寡頭支配──贅沢競争の最先端
 経済成長は解決にはならない
 緊急課題──金持ちの消費を抑えよ
第五章 危機に瀕する民主主義
 テロリズムのアリバイ
 「治安機関職員」大歓迎
 刑務所は貧困者対策
 政治的異議申し立ての重罪化
 全面的監視の時代
 メディアの裏切り
 資本主義はもう民主主義を必要としない
 破滅への欲望
 「過酷な決断の時がやって来る」
第六章 切迫感とオプティミズム──オリガルキーも分裂しかねない
エピローグ プラネット・カフェ
原注
索引
訳者あとがき 
 

著者略歴

著:エルヴェ・ケンプ
フランスのジャーナリスト、作家。一九五七年生まれ。日刊紙『ルモンド』の執筆者としても有名。雑誌『科学とマイクロ生活』の記者だったが、チェルノブイリ事故をきっかけにエコロジーを追求するようになった。現在、『ルモンド』紙記者協会顧問。二〇〇九年にはスイユ社から『Pour sauver la planète, sortez du capitalisme(地球を救うため、資本主義から脱出せよ)』を発表した。『Gaza : la vie en cage』、『La Guerre secrète des OGM』、『Coup de chaud sur la planète』など著書多数。
訳:北牧 秀樹
1968年生まれ。パリ第八大学博士課程在籍(哲学)、パリノール人間科学館(MSH)研究補助員(フランスにおけるアフリカ系不法移民の現状)。
訳:神尾 賢二
翻訳家、映像作家。一九四六年生まれ。翻訳書に『ウォーター・ウォーズ』(ヴァンダナ・シヴァ著、緑風出版)、『気候パニック』(イヴ・ルノワール著、緑風出版)、『石油の隠された貌』(エリック・ローラン著、緑風出版)、『灰の中から—サダム・フセインのイラク』(アンドリュー・コバーン、パトリック・コバーン著、緑風出版)、『大統領チャべス』(クリスティーナ・マルカーノ、アルベルト・バレーラ著、緑風出版)、『海に消えた星の王子さま』(ジャック・プラデル、リュック・ヴァンレル著、緑風出版)、著書に英語版鎌倉ガイド『An English Guide to Kamakuraユs Temples & Shrines』(緑風出版)がある。

ISBN:9784846109165
出版社:緑風出版
判型:4-6
ページ数:224ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2010年01月
発売日:2010年01月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB