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緑の政策宣言

著:フランス緑の党
訳:若森 章孝
訳:若森 文子

紙版

内容紹介

本書は、持続可能なフランスとEU(欧州連合)をつくるための「フランス緑の党の基本政策」の全容を述べたものである。フランスの政治、経済、社会、文化、環境保全などの在り方を、より公平で民主的で持続可能な方向に導いていくための指針が、具体的に述べられている。われわれが、今後日本のあるべき姿や政策を考える上で、極めて重要な示唆を含んでいる。

目次

序 章 政治は何をするためのものか?
第一章 政治的エコロジーの価値基準について
自律/連帯/平等/責任/男女平等/自然と環境を尊重する/民主主義/
ローカルとグローバルの連続性/多元性/予防原則と不可逆性/
修復よりも予防を

第二章 われわれの環境、自然、資源を守る
われわれの生きる有限な地球は社会的および環境的危機にある
Ⅰ 自然空間と資源の保全
Ⅱ 共通農業政策を改革する
Ⅲ 海と沿岸地域を保護する
Ⅳ 空間および国土を整備する
Ⅴ 輸送の激増にストップをかける
Ⅵ エネルギーの節約とエネルギー源の多様化

第三章 より平等な社会をめざす公共サービス
Ⅰ 医療――適切な医療費で平等を保証する
Ⅱ 学校と教育――民主主義にとっての優先事項
Ⅲ 市民との合意に基づいて研究を発展させる
Ⅳ  商業化に対抗する文化
Ⅴ 治安確保の誘惑に抗して
Ⅵ 出費ゼロの、あらゆる人に開かれた裁判

第四章 解放された平等な連帯社会
Ⅰ 生き方を選択する
Ⅱ 高齢者と世代間活動
Ⅲ 若者の自立に向けて
Ⅳ  スポーツにおける明確な規則
Ⅴ 完全な権利を有する市民としての障害者
Ⅵ 麻薬中毒――管理された合法化で密売と闘う
Ⅶ 連帯制度の将来

第五章 多元的経済、持続可能な発展、社会的平等
Ⅰ 経済をエコロジー化する
Ⅱ 資本主義や生産第一主義をエコロジー化する
Ⅲ 持続可能な完全雇用に向かって
Ⅳ  労働と所得について再考する
Ⅴ 多元的経済をめざして
Ⅵ より公正で、持続的発展に有効な税制のために

第六章 欧州連邦とより公正な世界の中で、フランスの諸制度を再構築する
Ⅰ 第六共和制に向かって
Ⅱ もう一つの移民政策――権利と市民権の平等
Ⅲ 共和国の領土を再編し、国家を改革する
Ⅳ  連帯と民主主義の欧州を構築する
Ⅴ 地球を統治する
Ⅵ 平和、防衛、軍縮のためのもう一つの政治

訳者あとがき
索引
略語表

著者略歴

著:フランス緑の党
1984年に結成された環境政党で、正式な党名は「緑、エコロジスト連合‐エコロジスト党」である。 2004年現在、国民議会議員3名、欧州議会議員6名、地域圏議会議員175名。ドミニック・ヴヮネに代わってジル・ルメール(52歳)が党代表(全国代表幹事)を務めている。
緑の党は、中央集権的原理ではなく分権的党内民主主義と男女同数原則の原理に基く政党で、地域圏(地方)が基本組織となっており、地域間全国協議会が党の最高決定機関である。緑の党は、エコロジスト党としての自立性を保ちながら左翼政党と一緒に自治体や国家の運営に参加するという戦略(「複数の多数派」という考え方)が次第に党内で多数派を占めるようになった。
しかし、国民議会選挙で議席を得てこれを保ちながらも、分権的民主主義や男女同数原則、「複数の多数派」戦略に基きながら「新しい政治」をめざすフランス緑の党は、今日、新たな試練に直面している。
訳:若森 章孝
横浜国立大学経済学部卒業、名古屋大学大学院経済学研究科修士課程修了。現在、関西大学教授。主な編著書に『資本主義発展の政治経済学』(関西大学出版部、1993年)、『レギュラシオンの政治経済学』(晃洋書房、1996年)、『歴史としての資本主義』(青木書店、1999年)、主な訳書にA.リピエッツ『奇跡と幻影』(共訳、新評論、1987年)、A.リピエッツ『勇気ある選択』(藤原書店、1990年)、M.アグリエッタ『資本主義のレギュラシオン理論』(共訳、大村書店、2000年)、G.M.ホジソン『経済学とユートピア』(共訳、ミネルヴァ書房、2004年)がある。
訳:若森 文子
名古屋市立女子短期大学および静岡大学人文学部卒業。主な訳書にA・リピエッツ『政治的エコロジーとは何か』(緑風出版、2000年)、D・メーダ『労働社会の終焉』(共訳、法政大学出版局、2000年)、『レギュラシオンの社会理論』(共訳、青木書店、2002年)がある。

ISBN:9784846104153
出版社:緑風出版
判型:4-6
ページ数:284ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2004年10月
発売日:2004年10月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPL