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ダンスは冒険である

身体の現在形

著:石井 達朗

紙版

内容紹介

 長年慶應義塾大学で教鞭を執り、現在、名誉教授である石井達朗は、舞踊評論家として活発に活動している。『朝日新聞』や各種雑誌にダンス評や論考などを発表しているが、インド、アジアなどの祭祀をフィールドワークしており、舞踊のみならずパフォーマンスアートやサーカスにも詳しい。そして独自の視点で「異装のセクシュアリティ」「男装論」など、性も含めた舞台表現、身体表現について論じてきた。
 今回、近年発表したコンテンポラリーダンス、バレエ、パフォーマンス、舞踏、サーカスなどを論じたもの、そして舞踊家などとの対話を一つにまとめた。
 90年代以降、新しいダンスとしてのコンテンポラリーダンスが注目され、舞踏も国際的な評価が高まっているが、まさに「現在」(コンテンポラリー)の身体表現を徹底して論じ、舞踊や身体表現を真摯に追求する視線は、多くの読者、舞踊や身体表現を愛する人たちの強い共感を呼ぶことだろう。

目次

【目次】
第一章 現在舞踊論――コンテンポラリーダンスへ

 時代の共犯者としてのコンテンポラリーダンス
 身体の現前性
 ダンスと夢
 「インクルーシヴダンス」をめぐって
 ダンス、アクション、ポリティクス
 踊るコスプレ
 アジア的時空/コンテンポラリーな身体
 サーカス考現学

第二章 舞踊批評の現在―〝いま〟を見つめて

 受苦と救済のはざまで揺れる音楽と身体―アラン・プラテル
 出発点と三〇年後の到達点―ケースマイケルとローザス
 遠ざかるほどダンスが先鋭化する―ピーピング・トム
 官能と戦慄が錯綜する―ジゼル・ヴィエンヌ
 死者でございます――大野一雄
 不条理な常闇(ルビとこやみ)がくすぶる―勅使川原三郎
 多様な表象が揺らめく水晶宮―山口小夜子

第三章 舞踊対話―コトバも踊る

モダンとポストモダン、コンテンポラリーと舞踏 vs山野博大
 舞踏をはじめて五〇年 vs笠井叡
 肉体のEdgeに立つ vs室伏鴻
 土方巽◆旧字◆誕生前夜 vsヨネヤマママコ
 フラメンコを越えた舞踊家 vsイスラエル・ガルバン
 人々の踊りを舞台に vsヤン・リーピン
 抑圧からの解放を目指す vs東京ゲゲゲイ(MIKEY)
 東京にあるダンスの可能性 vsshoji

著者略歴

著:石井 達朗
 慶應大学卒。舞踊評論家。州立ハワイ大学講師、私立ニューヨーク大学(NYU)演劇科・パフォーマンス研究科研究員、慶應大学教授、愛知県立芸術大学客員教授、お茶の水女子大学・早稲田大学などの非常勤講師を経て慶應大学名誉教授。舞踊評論のほかに韓国、中国、インド、インドネシアなどの祭祀、伝統舞踊、現代舞踊をフィールドワーク。ジェンダー・セクシュアリティからみる身体文化、サーカス、脱領域のパフォーマンスアートなどについても執筆。

ISBN:9784846018498
出版社:論創社
判型:4-6
ページ数:264ページ
価格:2200円(本体)
発行年月日:2020年02月
発売日:2020年02月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:ATQ