渡辺治著作集 第1巻
著:渡辺治
紙版
内容紹介
戦後日本は、植民地支配と侵略戦争の敗北の上に、その反省を踏まえて建設されたが、現代日本社会・国家の市民的自由の抑圧の構造を理解するには近代天皇制国家がもった「専制」的性格の解明が必要である。本巻は、天皇制国家確立期の大逆罪・不敬罪の制定・運用過程に焦点をあてて、近代天皇制国家の独特の専制性と、今日との関係を明らかにする。
目次
天皇制国家秩序の歴史的研究序説/第1章 天皇制国家秩序の創出―大逆罪・不敬罪の成立/第2章 天皇制国家秩序形成・確立期における大逆罪・不敬罪/第3章 天皇制国家秩序の危機と不敬罪の展開/第4章 「ファシズム」期における不敬罪と治安維持法の交錯/第5章 天皇制国家秩序の崩壊過程/Ⅱ 天皇制国家の構造をめぐって/1 日本帝国主義の支配構造/2 近代天皇制・天皇論の課題