近世諸藩における財政改革 燎原編
著:大淵 三洋
紙版
内容紹介
諸藩の財政状況が危機に瀕し始めた「享保の改革」以後の、各藩が行った財政改革を詳細に論じる。社会構造・経済状況の変化に対応しつつ、質素倹約の徹底、年貢徴収体系の再考、地場産業の振興と専売制等、強力な改革主体によって、広く全国の数多くの藩において財政改革は行われた。濫觴編に続き、11藩12名を軸に、政策立案から実行に至るその人格的思想的な側面に焦点を当て、歴史的背景も踏まえ分析・評価する。これらの財政改革を研究することにより、現在の財政改革・再建の処方箋が見えてくる
目次
第1章:徳川宗春の財政改革(尾張藩)―徳川吉宗と対峙した明君― 第2章:細川重賢の財政改革(肥後藩)―宝暦の改革を主導した肥後の鳳凰― 第3章:恩田杢の財政改革(松代藩)―虚言申すまじく候の賢臣― 第4章:上杉鷹山の財政改革(米沢藩)―ジョン・F・ケネディが最も敬愛した賢君― 第5章:朝日丹波の財政改革(松江藩)―苛斂誅求で領民に君臨した摂政― 第6章:山片蟠桃の財政改革(仙台藩)―日本のアダム・スミスと呼ばれた商人学者― 第7章:松平定信の財政改革(白河藩)―財政改革に燃えた青年宰相― 第8章:本間光丘の財政改革(庄内藩)―救荒の父と慕われた豪商― 第9章:河合寸翁の財政改革(姫路藩)―産業復興により姫路藩を救った家老― 第10章:調所広郷の財政改革(薩摩藩)―強引な借財踏み倒しによる財政改革者― 第11章:毛利重就の財政改革(長州藩 第一期改革)―尊皇倒幕の資金を蓄えた毛利家中興の祖― 第12章:村田清風の財政改革(長州藩 第二期改革)―明治維新につながる財政改革の功労者―