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世界たすけに活かすおやさまご逸話

著:茶木谷 吉信

紙版

内容紹介

幕末・天保の大飢饉で大坂では毎日200人を超える餓死者が出ていたという。そのような状況の中、元大坂東町奉行与力の大塩平八郎は、救民のために挙兵し反乱を起こした。
 翌年・天保9年(1838)大和の地では、一農婦の中山みき(41歳)に、この世界の創造神であり守護者たる親神・天理王命が入り込んだ。親神は中山みきの口を通してすべての人間をたすけるために、10億年前の人間創造時の神の思いと、幸福へといたる教えを説いた。それは、天理教でいうところの神人和楽の「陽気ぐらし」である。
 天理教では、中山みきが身をもって示し残したものを「ひながた」と呼ぶ。その「ひながた」の具体的な記録が「逸話」として数多く残されている。
『稿本天理教教祖伝』『稿本天理教教祖伝逸話篇』などには、教祖中山みきが当時の人々と触れあった姿が、具体的に書き記されている。その一つひとつを、一言一句、句読点にまで注意して丹念に読み、時代考証を加え、話の背景をさぐり、まるでドラマのワンシーンを見るかのように映像化して見せてくれるのが本書である。
 熊本大学哲学科卒。在住する市の教育委員会でも活躍し、青少年問題にもくわしい筆者は「ゲーム依存」などという現代病にもスポットをあてて、その解決方法までを教祖中山みきの「逸話」に探し出している。
 探究心のかたまり。不断の努力で積み上げた広範な知識と、天理教信仰者としての実践に裏付けられた著者が、世界中をたすけたいという、教祖中山みきの思いに近づこうと歩みつづける情熱から生まれた一書である。

目次

はじめに
「逸話篇三一 天の定規」(ケンカの原因は?)
「逸話篇一二三 人がめどか」(心が違えば価値観が変わる)
「逸話篇一八七 ぢば一つに」(陽気ぐらしの下敷き)
「逸話篇一七二 前生のさんげ」(依存症のおたすけのヒント)
「逸話篇一五八 月のものはな、花やで」(現代女性にも響く話)
「逸話篇一九八 どんな花でもな」(不足には一度耳を傾け励ます)
「逸話篇三九 もっと結構」(教祖のお答えと私たちの答えの違い)
「逸話篇一一四 よう苦労して来た」(かしもの・かりものの教えが心でわかる)
つとめ場所のふしんをめぐって(若者の志ですすんだふしん)
「逸話篇一八一 教祖の茶碗」(「もったいない」は節約の意味だけではない)
「逸話篇一九五 御苦労さま」(比較をやめたら隔ての心はなくなる)
「逸話篇一六五 高う買うて」(経済の話ととらえると疑問がわく話)
おたすけいただく秘訣をめぐって(私たちの思うご守護と親神様のご守護)
「逸話篇三三 国の掛け橋」(時間を追って忠実に逸話を読むと……)
「逸話篇一七〇 天が台」(「他宗教」と「天理教」の関係)
「逸話篇一三〇 小さな埃は」(相手の心を動かすバカ正直で真っ直ぐな心)
「逸話篇一一八 神の方には」(教祖はなぜ「力比べ」をされたのか?)
「逸話篇一五九 神一条の屋敷」(芸術は人の心を感じ取る力を磨くために必要)
大和神社の一件をめぐって(天理教最初のふしん・棟上げ翌日の事件から見えること)
「逸話篇七八 長者屋敷」(幸福感を高めるキーワード)
「逸話篇一四四 天に届く理」(人間のつらさに「共感」してくださる教祖)
「逸話篇三 内蔵」(教祖のおたすけの始まりは?)
「逸話篇一三八 物は大切に」ほか四篇をめぐって(二種類のご逸話)
「逸話篇六三 目に見えん徳」(目に「見える徳」「見えん徳」とは?)
「逸話篇一二二 理さえあるならば」(社会の用事とお道の御用がぶつかったとき)
「逸話篇一〇四 信心はな」(おやさまのご逸話はどんな色調で染まっている?)
研究ノート「逸話篇二一 結構や、結構や」をめぐって
研究ノート「鴻田忠三郎先生と新潟の道」
あとがき

著者略歴

著:茶木谷 吉信
昭和35(1960)年 熊本県菊池市生まれ
昭和58(1983)年 熊本大学文学部哲学科卒
昭和59(1984)年 天理教正代分教会長拝命
平成17(2005)年 熊本刑務所教誨師
平成25(2013)年 玉名市主任児童委員

ISBN:9784842601250
出版社:養徳社
判型:B6
ページ数:304ページ
価格:1400円(本体)
発行年月日:2019年05月
発売日:2019年05月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRR