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迫害・受難のいばらを越えて

初代真柱様二代真柱様ご苦労の道

著:飯田 照明
絵:横田 種生

紙版

内容紹介

終戦後、日本の憲法が制定され「信教の自由」が保障されるまで、国民には信仰の自由などまったくなかった。それゆえ、大和に生まれた天理教は教祖ご在世当時から約一世紀の長きにわたって幾多の反対攻撃を受けた。
本書は、教祖が現身を隠された明治二十年代から終戦直前までの官民一体の迫害、弾圧の歴史を取り上げ、その中を通り抜けた初代真柱様、二代真柱様の茨道をまとめたものである。
村民の反対攻撃はもとより、教祖一年祭での官憲の乱入、政府から日清戦争の軍資金、人夫の要求、神道からの一派独立運動への妨害、「淫祠邪教」と決めつけて出された内務省秘密訓令とその取り締まり、国民・マスコミ一体の攻撃、国会に出された解散請求願書と追及、原典没収を狙った税務事件等々の数々の圧力がかかり、天理教は教団存亡にもかかわる反対攻撃、迫害を受けた。
さらに昭和十年代、軍国主義化高揚とともに「革新」の名で統制された教義の変更と削除、戦争協力を迫った炭鉱奉仕の動員等々、天理教は教祖の御教えがそのまま宣布できないきびしい迫害、弾圧を受けたのである。
この時代、大本教、ひとのみちなど諸宗教も壊滅に近い弾圧を受けたが、特定の一宗教がこれほどまで長年にわたって迫害され、弾圧を受けた宗教も世界に類をみない。
本書はその実態と真相を、一般書籍と数少ない天理教資料を駆使して明らかにしている。

目次

教祖一年祭の節 明治二十九年の節 中傷文書 中傷文書の出版 中傷文書の内容 マスコミによる中傷 秘密訓令 なぜ「秘密訓令」と言われるのか 大教会史に見る迫害状況とそのダメージ 一派独立へのご苦労 官僚も迫害者 応法の苦渋と抵抗 原典の公刊と回収 税務事件の嵐 革新の時代へ 軍国主義の高まり 思想警察の内偵と監視 右翼団体からの攻撃 衆議院での追及 諸宗教への統制と弾圧 戦時中のご苦労 ……終戦の日に「復元」を命じられた 受難の日々を支えたもの なぜ大戦の危機を乗り越えられたか 奥村秀夫先生の証言 原典――「おふでさき」をめぐるご苦労 神名が本教攻撃の種『天理教綱要』の事例 大正から昭和にかけての中傷文書 なぜ解散から免れたか 巨大な信仰集団であったから いざ・ひのきしん隊と真柱様 生命の尊さを説かれた 終戦と真柱様 占領下のご苦労 戦争協力の歴史と向き合う態度 戦争加担について 過去を見る目 歴史を見る姿勢と態度

著者略歴

著:飯田 照明
昭和4年(1929年)、奈良県桜井市に生まれる。天理語学専門学校イギリス語部(現天理大学)卒業。大阪大学文学部哲学科卒業。シカゴ大学、パリ(ソルボンヌ)大学へ留学。インディアナ大学元交換客員教授。その後奉職した母校天理大学では比較教義学、比較宗教学、宗教哲学の研究のかたわら教鞭を取り、天理大学名誉教授となる。天理図書館元館長。教会本部では別席取次人(英・仏)。
櫻井大教会・鳥見山分教会所属 教人。
近著に『だめの教えって素晴らしい!
誰でもわかるキリスト教、仏教、イスラームとの違い』(養徳社刊・平成29年2月出版)がある。

ISBN:9784842601243
出版社:養徳社
判型:A5
ページ数:240ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2018年12月
発売日:2018年12月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRR