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大人のための水族館ガイド

編:錦織 一臣

紙版

内容紹介

前書『大人のための動物園ガイド』は、何度か動物園に足を運んだことのある大人がさらに動物園にいってみようと思えるような魅惑的な内容の本であった。とてもバランスがよくコンパクトにまとめられていながらも、網羅的で豊富な内容が盛り込まれていた。動物園の関係者が読んでも大いに参考になるものであったと思う。本書ではコンセプトは引継ぎつつも、既存の水族館ガイド本やテキスト類が詳述する、生きものの豆知識や魚類等の飼育に関することについてはかなり絞った記述に留め、動物園と共通する事項についても省略しているので、併せて前書『大人のための動物園ガイド』をぜひお読みいただきたい。

目次

はじめに

Tide 1 水族館へ行こう 大人の水族館の楽しみ方・味わい方

1.水族館ならではの楽しみ方(1.「静」と「動」が同居する空間、2.「水」を感じる空間、3.美味しい!?展示生物、4.とにかく、へんてこな生きものがいろいろ)
2.生きものってこんなにおもしろい!(1.見方がわかると無限に楽しい、2.魚が泳ぐのは当たり前!?、3.たかが「ひれ」、されど「ひれ」、4.なにを食べる?どうやって食べる?、5.いつでも見られる食事の様子、6.見つからないこと、それが一番、7.目立つことにも意味がある、8.もっとも大人的楽しみ方 オスとメス、9.性を変える戦略、10.「愛」ではくくれないイクメン、11.無脊椎動物がいっぱい まずは探すことから、12.口はどこ?目はあるの?違うからこそおもしろい)
3.水族館を楽しむ手助け(1.名前だっておもしろい 名前ラベル、2.気軽に楽しむスポットガイド じっくり楽しむガイドツアー、3.情報資料室は発見の部屋)
4.もっと深く水族館を楽しむ(1.大人だって学びたい、2.ボランティアになる)
5.水族館から出て自然のなかへ

Tide 2 水族館の歴史 水族館 その歴史的な歩み

1.近代水族館の誕生(1.ロンドン動物園の「フィッシュ・ハウス」、2.光と影のマジック、3.グロッタ風(洞窟風)水族館、4.帝国主義のシンボルとして、5.アメリカの水族館、6.日本の水族館、7.臨海実験所の水族館)
2.「ディスプレイされた海」-水族展示のさらなる発展(1.「生態展示」への道、2.「ダイビング体験」をシミュレート、3.AR(拡張現実)の技術と融合)
3.これからの水族館のあるべき姿とは?(1.水族館はいま危機にある?、2.環境意識の芽生え、3.「動物の福祉」・「動物の権利」運動に直面して、4.ミッション(使命)の再定義-繁殖と保全をめざして、5.「ヴァーチャル水族館」は代替物たりうるか)
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Tide 3 水族館の調査・収集 さかなを調べる・集める・運ぶ
1.水族館の生物収集-水族館の展示生物はどうやって集めているのか?(1.購入する ~マグロやイワシ、深海魚でさえも買える時代~、2.分譲・交換する ~水族館同士、協力し合う時代~、3.採集する ~集め方のいろいろ)
2.海外での採集(1.海外で採集するには ~許可をとる~、2.年々厳しくなる規制 ~ABS問題~、3.様々な海外採集)
3.生物を輸送する(1.大型魚(クロマグロ)の輸送、2.海外から生物を輸送する
4.研究(1.研究する ~水槽で~、2.研究する ~フィールドで~)

Tide 4 水族館の飼育展示・保全 さかなを飼う・見せる・増やす
1.水族館の飼育展示(1.水槽設備、2.水槽はひとつの生きもの、3.餌のいろいろ、4.擬岩、5.水槽の清掃と飼育係の道具あれこれ、6.飼育動物の健康管理)
2.飼育生物の繁殖と保全(1.飼育生物を繁殖させる意義、2.繁殖事例、3.希少生物を保全する、4.他機関との連携)

Tide 5 水族館と社会 水族館の社会的存在を考える
1.黎明期から多様であった
2.レジャー経済の発展から見た水族館(1.レジャーとしての水族館、2.工夫競争がはじまる、3.巨大施設化する水族館とウォータフロント計画、4.都市空間に入り込む水族館、5.動物園と比較すると)
3.博物館の一種?(1.法制度からの位置、2.博物館法から見た水族館の数はどうなっているのか)
4.人と魚の関係から考える(1.地域社会の中にある、2.都市空間から魚が消えている、3.人と人をつなぐ、4.動物愛護・動物福祉が強まる中で、5.おわりに)

Tide 6 水族館と環境 食と環境問題と水族館
1.さかなを食べる水族館(1.水族館の釣り堀、2.活魚水槽と番屋、3.漁師と水族館、4.ハッピーオーシャンズ Happy Oceans)
2.環境水族館メッセージ(1.環境水族館宣言、2.食物連鎖と水槽展示、3.太陽光が降り注ぐ水槽)
3.環境水族館と放射能(1.地震と津波、2.原発事故と放射能、3.環境水族館と放射能)

Tide 7 水族館のこれから 人とさかなと水族館の関係
1.人が水族館に求めるもの(1.水を見たい・浸りたい、2.生きものを見たい・知りたい)
2.人との関係をつなぐ水族館(1.水族館と動物園、2.悩める水族館)
3.これからの水族館(1.水族館の人と生きもの、2.人と生きものの関係の変化と水族館、3.水族館のこれから)

おわりに

 付録1 「さらに知りたい大人のためのブックガイド」
 付録2 海外に行ったら訪れたい水族館

ISBN:9784842505718
出版社:養賢堂
判型:B5
ページ数:217ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2018年11月
発売日:2018年11月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PSV