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ほりしぇん副校長の教育談義

悩み多き中学生のキミへ、そして若き教師に向けて

著:堀内 雅人

紙版

内容紹介

学校生活には、心が動き、自分の殻を破るきっかけがあふれている――。
自由教育で知られる明星学園中学校・高等学校で、国語科教諭、そして副校長として教育現場を見つめてきた著者が、生徒が成長する瞬間、授業、さらに新しい時代に必要とされる取り組みについて語ります。
「わたしもきっと自分の居場所を見つけるね!」そう言って巣立っていった生徒、
民泊で「今日から大家族だね」とおばあに言われたのが一番うれしかったと綴った生徒、
「自分の自由の邪魔になるものをなくせば自由になれるの?」と哲学的質問した生徒、
卒業論文で「どうすれば痛くない注射針を作れるか?」というテーマを持ってきた生徒・・・
その光景が目に浮かぶようなエピソードが、生徒たちの生き生きとした言葉とともに紹介されている本書。そこにはおだやかに、けれども熱く彼らと向き合う一人の教師のまなざしがあります。
「迷ったときは、楽なことより楽しいことを。」
教師なのに人前で話すのが苦手、「自分は失敗の連続だった」と語る著者が、送り出してきた多くの生徒の成長を振り返りながら、いま不安を感じ、悩んでいる中学生へ、そんな彼らを見守る保護者へ、そして彼らに寄り添い、自身も成長しようとする教師へ向けたメッセージは、思いやりにあふれ、それでいて多くの示唆に富んでいます。さまざまな立場から、何度でも読み返し、自分の胸にとどめておきたくなる一冊です。

目次

はじめに
〈第Ⅰ部〉中学生の風景
1 新入生との出会い ―自分の居場所づくり
2 教員としての原点
3 漱石と教育 
4 「ふつう」でなければいけないか?
5 本当の厳しさとは何か?
6 学校は何のためにあるのだろう?
7 自由について
8 自立とは何か?
9 表現するということ
10 孤独の大切さ
11 プロセスの大切さ
12 迷惑をかけることの大切さ
13 大人になるためのステップ —教室の中のトラブルと芥川『藪の中』  
14 二つの眼鏡を持つことの大切さ
15 常識を疑うことの大切さ
16 憧れること、憧れられること 
17 対話が生まれるとき ―重松清『きみの友だち』

〈第Ⅱ部〉授業の中の中学生
1 【国語の授業】―『走れメロス』(太宰治)を再話する[中二]
2 【国語の授業】―『千羽鶴』(重松清)を生徒と共同で読む[中三]
3 【美術の授業】―「一本のビン」を描く[中一]~ものの見方を教える
4 【木工の授業】―「家具」のグループ制作[中三]
5 【数学の授業】―「ピタゴラスの定理」を学ぶ[中一]~「?」から「!」へ

〈第Ⅲ部〉教科教育を超えて
1 「てつがく対話」の授業
2 学校をもっと開かれた場所に ―民家泊
3 学校をもっと開かれた場所に ―特別授業『この人に会いたい』

〈第Ⅳ部〉中三『卒業研究』の実践
1 中学生の『卒業論文』との出会い
2 中学生の『卒業論文』を提案
3 早稲田中学校の実践から学ぶ ―「中学生の『卒業論文』をめぐる論争」
4 なぜ中学生に「卒業論文」か?
5 『卒業論文』から生徒全員の『プレゼンテーション』へ
6 最も大切なテーマ探し
7 今求められるフィールドワークとしての「してみる計画」
8 保護者・卒業生ボランティアの役割
9 自ら動き始める「してみる計画」
10 プレゼンテーション ―「聴く力」と「コメントの力」

〈第Ⅴ部〉悩み多き中学生のキミへ、そして若き教師に向けて

おわりに

著者略歴

著:堀内 雅人
1961年生まれ。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業、同大学国語国文学専攻科修了後、1985年より明星学園中学校・高等学校(東京都三鷹市)国語科教諭。2013年度より2022年度まで同学園中学校副校長を務める。愛称、ほりしぇん。2014年より東京女子大学教職課程、非常勤講師を兼務。山と温泉、旅先での食と酒をこよなく愛する。著書に『文学のとびらを開く 近現代文学名作選』(共著・明治書院)がある。

ISBN:9784840308649
出版社:みくに出版
判型:4-6
ページ数:264ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2024年05月
発売日:2024年05月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JN