外国人が見た十九世紀の函館
著:ヘルベルト・プルチョウ
内容紹介
150年前の函館はどんな町だったのか。19世紀の函館にやってきた船長・船員、探検家、宣教師、外交官、商人、軍人、医師などの外国人が書き残した見聞録や日記・紀行、手紙などが、そのことを教えてくれる。
函館の通りにはざわめきがない。職人は店の中で忙しい。
にこやかな乙女たちが井戸で水を汲んでいる。
子供たちでさえもとりすまして行儀がいい。どの腕白小僧も通りすがる外国人を馬鹿にしたりはしない。
犬も犬で、犬式の礼儀作法を心得ている。そして犬は、この地にやってきた遠国からの放浪者を、うなって吠えたりするのを恥とする。
目次
はしがき
第1章 函館の夜明け
最初の外国人訪問者
船長ワシーリ・ミハイロビッチ・ゴロブニン
高田屋嘉兵衛
第2章 函館の開港
マシュー・ガルブレイス・ペリー提督
ユーフィミ・バスレビッチ・プチャーチン提督
第3章 最初の外国領事
ゴシケービッチとその一行
チャールズ・ペンバーテン・ホチソン
エリシャ・E・ライス
第4章 初期の宣教師たち
ロシアの正教の宣教師/バシリ・マホフ/ニコライ
プロテスタントの伝道師/カトリック伝道師
オジエーン-エマニュエル・メルメ・ド・カション
第5章 函館に住んでいた外国人
アーサー・ヘンリーティリー
カール・ヨハン・マキシモビッチ
トマス・ライト・ブラキストン
J・H・トンプソン
アレキサンダー・P・ポーター
ジョン・バクスター・ウィル
H・J・スノー
ゲルトネル兄弟
エドウィン・ダン
第6章 日本のジブラルタル、函館
ジブラルタルとの比較/背景/町の通り/家並み
店のたたずまい/旅館/食物/劇場/祭り
函館の遊郭と酒屋/中華街/七飯と駒ケ岳
第7章 町の人びと
奉行/通訳/庶民
第8章 函館のさまざまな出来事
アイヌ人骨発掘事件/函館戦争/ハーベル暗殺
明治天皇の行幸
おわりに
参考文献