小倉百人一首をもじった『狂歌百人一首泥亀の月』。
江戸庶民の哀歓を詠い上げた江戸のもじり歌には、現代社会にも通じる面白味がある。著者は狂歌と戯画を見比べながら、巧みなうがちを見抜き、作者・越谷山人の戯の世界を読み解く。
東京都立中央図書館特別文庫室蔵『狂歌百人一首泥亀の月』とその改作『戯劇百人一首闇夜礫』の影印を全篇掲載
『近世の狂歌は機知と笑いを生命線とするパロディーの文学であり、歌のどこに面白いがあるかといった点を解明することは狂歌研究にとってはもっとも本質的な問題であると思われる。山本さんはご自身で狂歌の面白さを感じ、その面白さを多くの人に伝えたいという思いが強く、そのためにこの書を執筆したと聞いている。 その成果は直接には本書の第一部「評釈篇」にまとめられているが、それにとどまらず、見られる限りの伝本をみて作品の成立過程を考察し、また本作品の位置についても狂歌史の流れの中で把らえようとしている。 更に作者「越谷山人」についても、文献の上で考えるだけでなく越谷の地に何度も赴き、手を尽くして研究を深めている。それらの成果をまとめたものが山本さんのこの『狂歌百人一首泥亀の月を読む』である。』<序 大取一馬より抜粋>