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国語教科書の定番教材を検討する!

教科書でつくられる日本人の教養

編著:石井 正己

紙版

内容紹介

定番教材を作品の成立・刊行、教科書採択の歴史、作品の研究、教材の評価、関連する作品、新しい読みの提案から読み直す。 

目次

なぜ国語教科書の定番教材を検討するのか(石井正己)
小学校編
おおきなかぶ──累積昔話の構造を意識した授業へ(加藤康子)
いなばの白うさぎ──義務化された神話教育の曖昧さ(石井正己)
かさこじぞう■岩崎京子■──作者が伝えようとする「清福」の思想(加藤康子)
百人一首■藤原定家撰■──教師の教養が授業の基礎になる!(石井正己)
スイミー■レオ・レオニ■──アイデンティティー探しの物語(井上陽童)
やまなし■宮沢賢治■──「イーハトヴ童話」として捉える(大澤千恵子)
ごんぎつね■新美南吉■──ごんの真心の行方を考える (井上陽童)
一つの花■今西祐行■──「一輪だけのコスモス」に託された願い(井上陽童)
白いぼうし■あまんきみこ■──事実の奥の真実を垣間見る物語(大澤千恵子)
故事成語──漢文学習の導入と日本の言語文化の意識化 (松原洋子)
中学校編
竹取物語──メディアによる享受と教室での読み (田中成行)
平家物語──章段単独で読む偏りを越える (出口久徳)
徒然草■兼好法師■──繰り返される「つれづれなるままに」(田中俊江)
万葉・古今・新古今──惚れさせる内容の一大転換はできたか (愛甲修子)
おくのほそ道■松尾芭蕉■──継続して採録された幸せな作品 (手塚翔斗)
走れメロス■太宰治■──群衆・少女に透けるアイロニー(赤星将史)
故郷■魯迅■──新たな「私」の捉え方 (数井 千春)
少年の日の思い出■ヘルマン・ヘッセ■──語りの理論にもとづいた解釈(川嶋 正志)
現代詩──吉野弘を視座に概観する(疋田雅昭)
春望■杜甫■──日本文化に与えた影響の大きさ(松原洋子)
高等学校編
伊勢物語──和歌の特性と散文の語りが生み出す物語(水野雄太)
源氏物語■紫式部■──切り出された教材の可能性(植田恭代)
更級日記■菅原孝標女■──物語へのあこがれを語る物語作家(中村 勝)
雨月物語■上田秋成■──他者理解の困難さを示す物語(手塚翔斗)
舞姫■森鷗外■──同一性の基盤であり続ける他者(小仲信孝)
こころ■夏目漱石■──平凡な男の死を特別に見せるレトリック(伊藤かおり)
羅生門■芥川龍之介■──文学的な〈読みの方法〉を学ぶ意義(多比羅 拓)
山月記■中島敦■──次に虎になるのは誰か?(安松拓真)
俳句・短歌──正岡子規・与謝野晶子を例として(菅 俊輔)
史記■司馬遷■──人生訓や格言が溢れる(松原洋子)
音読の効果を再認識する(白勢彩子)
定番教材を脱構築するために(石井正己)
教科書採択データベース案内(安松拓真)
執筆者紹介

著者略歴

編著:石井 正己
東京学芸大学教授

ISBN:9784838233755
出版社:三弥井書店
判型:A5
ページ数:207ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2021年01月
発売日:2021年02月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JN