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幻の、京都

隠れた歴史の深淵を訪ねる

著:西川 照子

紙版

内容紹介

20数年前、哲学者の梅原猛氏とともに、京都中をフィールドワークした著者がおくる「京都の歴史の深淵」に迫る京都案内。
ガイドブックに取りあげられることの少ない内容で、ディープな京都の実像に迫る読みもの。

目次

貴船大明神 ─ 舌氏の祖・舌を裂かれた童子
お喋り童子 ─ 仏国童子の罪
「黄舩」と託宣 ─ 玉依姫と結びの神

朱雀権現堂 ─ 奇跡の再生、厨子王丸
濱田義昭師 ─ 最後の語り部
もう一体の地蔵尊 ─ 厨子王丸の守り仏

出町妙音堂 ─ 金閣寺と西園寺と伏見宮
西園寺寧子 ─ 守護神・弁財天絵像
西園寺の神から伏見宮の神へ ─ 妙音弁財天の結ぶ赤い糸

五条天神 その一 ─ 『小男の草子』、幸福な男の恋の物語
五条の小さな神さま ─ 御伽草子『小男の草子』
小男は神であった ─ 五条の天神の御利益

五条天神 その二 ─ 弁慶の愛の物語
小さ子神、神への道 ─ 鬼若・牛若
出会い、そして恋 ─ 弁慶・義経

金蓮寺 その一 ─ 女人の寺
時宗・四条道場 ─ 浄阿上人と西園寺寧子
染殿后 ─ 裸形の地蔵尊

金蓮寺 その二 ─ 室町将軍と時宗
金蓮寺と室町将軍 ─ 祇園御霊会見物
十住心院から四条釈迦堂 ─ 一遍の熱狂と孤独

金光寺 ─ 安産信仰と市堂
市屋道場と踊念仏 ─ 空也上人の遺跡
観音さまと毘沙門さん ─ 安産信仰

市比賣神社 ─ 母子神信仰
市姫大神 ─ 四神三座
花山天皇勅作・母子像 ─ 市の餅と五十日餅

常楽台 その一 ─ 存覚と今小路覚真師
存覚の寺 ─ 二〇一〇年、常楽台へ
「花の御影」 ─ 「鏡の御影」に代わって

常楽台 その二 ─ 「花の御影」と「袖日記」
二〇一三年、五月雨 ─ 「花の御影」の謎
安城の御影 ─ 八十三歳の親鸞

長楽寺 ─ 龍宮と地獄絵
阿証房印西 ─ 建礼門院の御布施
安徳天皇と龍宮 ─ 母子神信仰

壬生寺 ─ 「桶取」の黒い翁面
『折口信夫全集』第三巻 ─ 古面の正体
「湯立」という神事 ─ 壬生大念仏の〝神〟

六角堂 その一 ─ 聖徳太子とタラの木
八田さんはハタさん ─ 秦氏の寺? 六角堂
花市・鐘楼 ─ 池坊は花摘み人

六角堂 その二 ─ ほどこし粥と太子山と
六角堂は恋の寺 ─ 天皇の妃となった美人
広隆寺の秘仏・太子 ─ 秦氏の「太子山」

六角堂 その三 ─ 花と鐘と親鸞
川瀬家と鐘楼堂 ─ 十代のお家元
夢想の像・親鸞 ─ 二歳の赤子・太子

五条の道祖神 その一 ─ 黄金を生む社
道祖神・幸福の神 ─ 秘芸伝授の神
『福富草紙』の〝富〟 ─ 鉄の鈴の夢

五条の道祖神 その二 ─ 神話の社
隣の爺の悲劇 ─ 琵琶法師のカタリ
道祖神とは誰か ─ 禁忌を持つ神

一条戻橋 ─ 岡見正雄という人
柳田國男の言葉 ─ 岡見正雄君に委せる
陰陽師と鬼一 ─ 『義経記』から始まった

晴明神社 ─ 上京の安倍晴明
晴明の陰陽道 ─ 上賀茂・競馬
晴明の墓所 ─ 嵯峨か坊村か、それとも……

法城寺と清圓寺 ─ 下京の安倍晴明
瀬田先生と心光寺 ─ 山号にあった
吉良先生と長棟堂 ─ 安倍晴明三尊像

聖神社 ─ 幻の母を求めて、安倍童子
古浄瑠璃の「安倍晴明」 ─ しのたづまつりぎつね
信太の森と聖神社 ─ 母は京にいる

浄蔵と笛と鬼 ─ 笛の呪力・恋の呪術
笛の上手 ─ 鬼、大声にて感ず
女子殺害と二人の子 ─ ハッピーエンドの物語

八坂の塔 ─ 箱の呪術と太子伝承
大工の箱 ─ 八坂の塔を傾ける
八坂の塔の縁起 ─ 聖徳太子の寺

八坂神社 その一 ─ 疫神社と山伏山と役行者山
スサノヲの命の結婚 ─ 「蘇民将来の子孫なり」
橋弁慶山と『義経記』 ─ 安楽庵策伝のおみやげ

八坂神社 その二 ─ 神輿洗い
山町・鉾町 ─ 黒主山の烏帽子屋町
祇園祭の行事宿 ─ つるめそと神輿

八坂神社 その三 ─ 水の神
禁忌の植物・キュウリ ─ 祇園社の神紋・ウリ
再び神輿洗い ─ あらぶる神は誰?

因幡堂 その一 ─ 薬師信仰
海の薬師・山の薬師 ─ 龍宮と異類婚姻譚
託宣する薬師 ─ 御産の〝水〟

因幡堂 その二 ─ 京へ行きたあ~い
白兎の神 ─ 亀金伝承
「御霊箱」 ─ 黄金の箱

金閣寺 ─ 黄金と漆黒、逆説の楼閣
安永透と梅原猛 ─ 三月二十日という日
「琵琶塚」に始まる ─ 風景を所有する人

あとがき

ISBN:9784838105175
出版社:光村推古書院
判型:4-6
ページ数:338ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2014年11月
発売日:2014年11月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRRL3
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QRVS