知的生きかた文庫
0からわかる空海と高野山のすべて
著:渋谷 申博
内容紹介
高野山を開いて1200年がたったいまでも、空海は「弘法さん・お大師さん」などと呼ばれ、庶民に親しまれています。
また、空海ゆかりの四国八十八ヶ所霊場巡り、いわゆる「お遍路」もブームが定着しています。
これほど日本人に親しまれている仏教者は、空海以外に存在しないでしょう。
しかし、その素顔はあまり知られていないのも事実。
空海はどうやって、難解で神秘的な密教を広めることに成功したのか?
そもそも「密教」とはどのような教えなのか?
天才的・超人的なイメージは何に起因しているのか?
全国に残る「大師伝説」はほんとうなのか?
高野山の歴史と全貌はどうなっているのか?
…など、謎多き空海と密教、そして高野山の真相を、豊富な写真・図版とともに、わかりやすく解説します。
巻末には、空海にまつわる寺院、伝説、名言、八十八ヵ所ガイドなど「空海を知る小事典」も掲載!
目次
第1章◆空海とは何者なのか?
弘法大師とは空海のことなのか?
佐伯氏の謎と伯父・阿刀大足
〝名門大学〟を「中退」!
どこで修行していたのか?
二大祖師の〝出会いなき〟出会い
超人的な言語能力――語学・文学・書道
密教を授かり留学を短縮して帰国
帰国後の雌伏三年の間に最澄が…
嵯峨天皇と最澄との出会い
高野山の勅許と東寺の下賜
なぜ最澄と絶交したのか?
最高経営責任者「CEO空海」
空海は生きている?
「弘法大師伝説」の二類型
弘法大師と「神」との伝説
「喰わず芋」と「跡隠しの雪」伝説
弘法大師に仮託される伝説
第2章◆空海と真言密教のすべて
空海が伝えた密教とは何か?
密教の仏はなぜ顔や手が多いのか?
二つの八祖と二つの曼荼羅
「純密」以降、伝わらなかった後期密教
密教の呪文――真言と陀羅尼
奥義を伝える曼荼羅とは何か?
密教の修法――念誦法と護摩法
曇りを晴らす「三密瑜伽」とは?
入我我入の「即身成仏」
煩悩を肯定する真の意味
密教を視覚化しようとした空海
日本社会の密教化を図った空海
天台密教と真言密教の違いとは?
空海の代表的な著作
東寺講堂の内部を読み解く
空海の後継者たち
真言密教の変容――増殖する法流
密教と修験道、高野聖
第3章◆空海と高野山のすべて
高野山と金剛峯寺
空海の高野山建設
金堂本尊の謎が明かされる!?
さまざまな理由で変更された計画
消えずの火と貧女の一燈
奥之院の墓原の起源となった習俗
たびたびあった上皇参詣の実態
高野山と運慶・快慶の結びつき
高野山に「宿坊」が多いわけ
女人禁制の高野山と「女人道」
大衆の涙をさそった「刈萱」の悲話
高野山に徳川霊台があるわけ
高野山の主要な堂宇
高野山の多彩な塔頭
高野山の年中行事
第4章◆もっと空海を知る小事典
空海ゆかりの寺社
「大師伝説」めぐり
四国八十八ヶ所霊場
空海の名言
ISBN:9784837983477
。出版社:三笠書房
。判型:文庫
。ページ数:240ページ
。定価:590円(本体)
。発行年月日:2015年06月
。発売日:2015年06月22日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRFB。