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なにわ塾叢書 72

考古ボーイの70年

研究と行政のはざまにて

講話:坪井 清足
編:大阪府「なにわ塾」

紙版

内容紹介

元・奈良国立文化財研究所所長が回想する古代追究のあゆみ。草創期からの考古学の姿が浮かび上がる。

目次

はじめに

第一回講座 戦前の日本考古学をたずねて
親から子へ、子から孫へ
日本考古学の芽生え
縄文時代の編年
京大考古学と浜田耕作先生
考古学の研究対象と範囲
梅原末治先生の観察眼
森本六爾を取り巻く人々
土器の形態と機能との関係
唐古遺跡の発掘調査
考古学の限界を知る

第二回講座 開発と保存のはざまにあって
中国における戦前の遺跡調査
朝鮮半島での文化財調査
植民地政策の陰で
見習士官との議論
盗掘問題と略奪物資返還問題
登呂遺跡の発見と意義
文化財保護法の成立
発掘の届出制と遺跡台帳の整備
開発と文化財行政のはざまで
研究者と行政の橋渡し役として
個人の研究に冷たい文化行政

第三回講座 平城宮跡の発掘と史跡保存問題
文化財保護法の理想と現実
出土遺物の相対年代と絶対年代
奈良国立文化財研究所へ
遺構の下層にある埋蔵物をどうするか
水利問題と飛鳥寺の発掘
飛鳥寺の塔跡から出たもの
塾生の質問に答えて
平常宮跡から出土した大量の木簡
木簡でわかる各地の特産物
役人の勤務評定から調の内容まで
道路計画を変えた東院の発見

第四回講座 考古学に何ができるか
埋蔵物の展示について
復元に伴うウソとホント
五色塚古墳の復元
本物らしく作る場合の問題
考古学研究を活性化させる学会づくり
脂肪酸分析による年代測定法
動き出した竪穴住居の研究
文化的影響と独自性の形成
西と東の青銅器文化
東西で同時に始まった瓦の歴史
瓦の規格性と鎌倉以降の文化
学問の部分と全体

追記 考古展示について
講師略歴年譜
塾生名簿
あとがき

著者略歴

講話:坪井 清足
1921年大阪市生まれ。京都大学文学部史学科卒業。55年、奈良国立文化財研究所に入所、文化財調査官や監査官などを併任する。
77年から86年まで所長を務めた後、(財)大阪府文化財調査研究センター理事長となる。
飛鳥寺や平城宮跡などの発掘を行う一方、埋蔵文化も多くの業績を残す。
大阪文化賞、旭賞、勲三等旭日中綬賞などを受賞。
著書に『平城宮跡』『古代追跡』『埋蔵文化財と考古学』など多数。

ISBN:9784833901727
出版社:ブレーンセンター
判型:新書
ページ数:227ページ
定価:680円(本体)
発行年月日:1999年12月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NH