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古地図で楽しむ瀬戸内・香川

著:森正人

紙版

内容紹介

記憶の地層をはがす――。見出された風景美、近代航路で変容した旅、塩田風景の変遷、「名物」として発見されたうどん……地図・絵図を読み解き、これまで自明とされてきた伝統・文化・風景を問い直す。

目次

はじめに
記憶としての土地の歴史/瀬戸内海や香川県の範囲について/香川県とは何か
当たり前を問う

香川県地図

第1章 瀬戸内から瀬戸内海へ
瀬戸内の風景/瀬戸内を行き交う人びと/江戸時代の旅人二人/金毘羅詣での風景
四国遍路の風景/瀬戸内の美的風景/新しい審美性/ダイナミックな瀬戸内海

第2章 交通機関の発達と瀬戸内海の風景
寒霞渓の漢文的風景美/寒霞渓を作り上げる制度/大阪商船と瀬戸内航路
瀬戸内海航路のパンフレット/近代交通機関により変容する旅/名所の公園化
屋島の名所化と鉄道/日本新八景問題/瀬戸内海国立公園へ/動き出す観光/博覧会の風景鬼ヶ島の発見/鬼ヶ島観光の風景/女木島桃太郎伝説の顛末

第3章 讃岐三白の風景
讃岐三白とは/瀬戸内と製塩/讃岐と塩田/高松から東側の塩田/製塩の歴史と坂出
近代の地図と鳥瞰図から見る坂出/塩田風景の消失/甘い風景/讃岐国の製糖
甘蔗畑の風景/松島の賑わいの風景/綿工業とふとんの神様/てぶくろの町

第4章 うどん県、それだけじゃない県
当たり前じゃないうどん/ハレの食事としてのうどん/麦畑の風景/醤油製造業の分布
いりこの風景/はまち養殖の風景史/うどん店の歴史/うどんの発見/美味しさの記憶

第5章 都市と道の風景
道が作る風景/高松城下町の風景/戦災と占領軍の作った風景/高松市街の刷新
中央通りと高松中央球場/観光高松大博覧会の風景/国体と風景の変化
第八回国民体育大会の風景/「不法マーケット」の風景/高松駅前広場と国際マーケット一九五〇年代の商店街の風景/一九七〇年代の商店街の風景
商店街の窮状と郊外店舗の登場/高松市以外四市の中心商店街素描
ショッピングスタイルの変貌と郊外

第6章 水害の風景
水の風景/満濃池の風景/西嶋八兵衛が作った風景/戦後の吉野川総合開発計画
四国は一つ

第7章 つなぐ、つながる風景
岡山と香川をつなぐ港/海難事故と瀬戸大橋への気運/夢と矛盾/橋がつなぐ風景
「一つ」という幻想と矛盾―大島青松園/ゴミの島/アートでつなぐ
動く人たち/島をつなぐ船の役割


参考文献

おわりに

著者略歴

著:森正人
三重大学教授、博士(地理学)。1975年香川県高松市生まれ。専門は文化地理学。著書に、『文化地理学講義 〈地理〉の誕生からポスト人間中心主義まで』(新曜社、2021年)、『豊かさ幻想 戦後日本が目指したもの』(KADOKAWA、2019年)、『四国遍路 八十八ヶ所の歴史と文化』(中央公論新社、2014年)など多数。

ISBN:9784833143073
出版社:風媒社
判型:A5
ページ数:187ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2023年01月
発売日:2023年01月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ-JP-G