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カムィ・アイヌ・ラム

縄文の平和とカムィ・ユカラ

著:河田いこひ

紙版

内容紹介

カムイ・ユカラにさぐる〈平和の心〉。
縄文時代は戦争のなかった時代であり、アイヌの人びとは縄文人に最も近い子孫とされる。現代アイヌに伝わる言語文化に引き継がれた縄文人の自然観、価値観をアイヌの神謡「カムイ・ユカラ」にさぐる。

目次

はじめに

Ⅰ 縄文時代と弥生時代
Ⅰ-1 自然環境と自然理解
Ⅰ-2 縄文人
Ⅰ-3 縄文時代のおわり 
Ⅰ-4 異文化の受け入れ 
Ⅰ-5 異文化の拒否 
Ⅰ-6 日本語について 
Ⅰ-7 戦いの型 
Ⅰ-8 弥生時代 
Ⅰ-9 世界史の中の縄文時代 

Ⅱ 戦争をしなかった縄文人
Ⅱ-1 縄文人と自然:共存と不変 
Ⅱ-2 縄文人のくらしかたと人付き合い:共存と平等 
Ⅱ-3 あらそい 
Ⅱ-4 文字 
Ⅱ-5 交易 

Ⅲ 縄文語とアイヌ語
Ⅲ-1 縄文語の成立と継承 
Ⅲ-2 現代アイヌ語の中の古いことば 
Ⅲ-3 アイヌ語の特徴 

Ⅳ カムイ・ユカラ
Ⅳ-1 カムイ・ユカラとはどのようなものか
Ⅳ-2 カムイ・ユカラの主人公
Ⅳ-3 主人公の相方、または脇役
Ⅳ-4 小道具・背景・舞台装置
Ⅳ-5 サケヘ
Ⅳ-6 カムイ・ユカラの話題と構成(事件の発端、展開、結末、教訓)
Ⅳ-7 カムイ・ユカラの話題と主題
Ⅳ-8 巧みな伝え方

Ⅴ カムイ・ユカラの中の「縄文の心」
Ⅴ-1 縄文の心─その1:ありのまま
Ⅴ-2 縄文の心─その2:変えない
Ⅴ-3 縄文の心─その3:対等

Ⅵ 戦いの伝承
Ⅵ-1 弥生型の戦いが伝わらなかった理由
Ⅵ-2 縄文型の戦いの伝承と弥生型の戦いの兆し

Ⅶ 全123編の概観
A 罪や罰の話題が主題ではないもの
 A1 起源・来歴・出自などにまつわる話
 A2 イヨマンテその他コタンの行事やしきたりの意味や形式を教え、人々の倫理観が表現されているもの
 A3 主人公が感謝されて格が上がる話
 A4 善行や善心へのねぎらい
 A5 失敗談・自慢話
 A6 真情吐露
 A7 身の上話など
B 罪の種類と罰の大きさの話題
 B1 最も重い罪により、
二度とこの世に戻ることのできない所に追放される 
 B2 追放されたり死んだりしても、この世に戻れたり天に送られたりすることもある
 B3 本来の姿を奪われて、追放先で生きる
 B4 格を下げられて、この世で惨めに生きる
 B5 反省して謝罪し、つぐない品を出して許される
 B6  殺された、死んだ、逃げた、などで終わってその後が不明
C カムィ・ユカラが伝えてきたこと

おわりに
主な参考資料

著者略歴

著:河田いこひ
1941年、東京生まれ。ボランティアで翻訳に取り組む。
訳書に、『チョルノブィリの火 勇気と痛みの書』(2012年、風媒社)、『瑣尾録 秀吉の侵略を受けた朝鮮側の一文化人の記録』(共訳。私家版、2018年)、その他医学書などがある。

ISBN:9784833131896
出版社:風媒社
判型:A5
ページ数:203ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2023年06月
発売日:2023年06月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB