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古地図で楽しむ神戸

編著:大国 正美
著:水内 眞

紙版

内容紹介

歴史と伝説が何層にも積み重なってきた神戸のすがたを、さまざまな古地図や絵図の読み解きで明らかにする。文字情報だけではわからない街道や自然景観の変遷、港町の情景、近代文学者たちのまなざし……。あなたの知らなかった神戸がここにある。

目次

はじめに 大国正美

本書の関連地図


[Part 1] 色と形でみる町と村 大国正美

方形と楕円で表す町と村  慶長と元禄の「摂津国絵図」
最高傑作の地図帳に描かれた街  「国郡全図」
希代の地図考証家が描いた景観  森幸安の「摂津国地図」
摂津は中世城郭の宝庫  「摂津国名所旧跡細見大絵図」
二人の殿様、色で示す支配地  「中野村絵図」
色で表す寺社、北部に街並み  「摂津国矢田部郡福原庄兵庫地図」
変わる西国街道や有馬道  深江と住吉の「村絵図」
転用される温泉街地図  「摂津州有馬郡湯山図」
学び舎の進出待つ高台の新田  「水車新田絵図」
段々の田園が異人館街に  「摂州神戸山手取開図」
地図にみる明治の改変と温存  「神戸港測量地図」
連続する民家、元からの町  「二茶屋村・走水村絵図」


[Part 2] 海と山と川の風景 大国正美

海中の軍事情報が満載  「正保摂津国絵図」
六甲山中にも一里塚  摂津と播磨の「天保国絵図」
山の恵みで生きる  「本庄・山路庄全図」
山の共有と分割を描く  「六甲谷川上流部絵図」
レジャーと共存の密教拠点  「行程記」
色と線で示す殿様の山  「北野村山絵図」
六甲の急流、水害と闘って  篠原・中野の「普請絵図」
付け替えられた川  「生田村絵図」
領有争った平地の山  「和田岬附近ノ図」
山切り崩し宅地開発  「高取山山論裁許絵図」
川と池が織りなす田園風景  「板宿村絵図」
山裾に構えた城跡の里  「大手村絵図」
荒地再開発を大幅縮小  西須磨村の「起返願絵図」


[Part 3] 歴史と伝説の舞台 大国正美

海と結びついた征服伝承  「古事記」・「日本書紀」
都人の海の玄関口  「万葉集」
忘れられた古代豪族の王  「大和物語」
都人の残した風情  「古今和歌集」と在原行平
周縁地域と交わる王朝文学  「源氏物語」
滅びの美学の舞台  「平家物語」
時代ごとに読み直される英雄  「太平記」
初代英総領事が見た町並み  「大君の都」


[Part 4] 古地図で読む近代文学 水内 眞

新開地で見た情景  横溝正史『探偵小説五十年』
異国情緒のメリケン波止場  今 東光『悪童』
鈴木商店焼き打ちを活写  城山三郎『鼠』
横溝正史と「元町ぶらり」  江戸川乱歩『悪人志願』
神戸駅で途中下車  林芙美子『放浪記』
夏目漱石ともゆかりの地  田宮虎彦『神戸 我が幼き日の…』
心もぬかるむ移民坂  石川達三『蒼氓』
旧居留地から北野へ  堀 辰雄『旅の繪』
少年時代の港町情景  陳 舜臣『三色の家』
六甲山越えは大パノラマ  田山花袋『温泉めぐり』
高浜虚子が見た須磨での保養  正岡子規の俳句
疎開して書いた出世作  山本周五郎『須磨寺附近』
関西学院から見た神戸  稲垣足穂『カフェの開く途端に月が昇った』
文豪が見た阪神大水害  谷崎潤一郎『細雪』
焼跡に立つ御影公会堂  野坂昭如『火垂るの墓』


参考文献

おわりに 大国正美

著者略歴

編著:大国 正美
1958年福井市生まれ。1981年京都大学文学部史学科卒業。専攻は日本近世史。神戸新聞社取締役の傍ら、ボランティアで神戸市東灘区にある神戸深江生活文化史料館館長を務め、神戸史学会の雑誌『歴史と神戸』編集を担当。著書に『古地図で見る阪神間の地名』『古地図で見る神戸』『神戸・阪神間「名所」の旅』『絵図と歩くひょうご西国街道』(いずれも神戸新聞総合出版センター)、『兵庫県謎解き散歩』『神戸謎解き散歩』(いずれも新人物往来社)など多数。
著:水内 眞
1956年京都市生まれ。1979年関西学院大学文学部日本文学科卒業。神戸新聞社に入社し、地域報道部長、整理第一部長、情報技術局長など歴任。2016年から神戸文学館館長を務める。

ISBN:9784833101875
出版社:風媒社
判型:A5
ページ数:155ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2019年12月
発売日:2019年12月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ-JP-E