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北大文学研究科ライブラリ

悩める人間

編:仁平 尊明

紙版

内容紹介

世に悩みの種はつきものです。一挙解消の妙薬は処方できませんが、古今東西の文学や思想、歴史、社会科学の最新知見から、文学部の講師陣が《悩める人間》というテーマにせまります。悩みについて知れば、人生を豊かにするヒントが見つかるかも。

目次


はしがき

第一章 宗教は悩みにどう向き合うか………………………宮嶋俊一
 一 「悩み」と「苦しみ」について
 二 仏教やキリスト教は悩みといかに向き合ってきたのか
 三 マックス・ウェーバーの神義論
 四 試練としての苦しみ
 五 まとめ

第二章 作家(アーティスト)はつらいよ…………………北村清彦
 はじめに
 一 日本の芸術家人口
 二 芸術の経済
 三 芸術と社会
 四 「芸術」という能力
 おわりに

第三章 平安文人官僚の切なる昇進の願い
    ――小野道風と菅原文時…………………………小倉真紀子
 はじめに
 一 時代の背景と小野道風・菅原文時の生涯
 二 小野道風の任官申請
 三 菅原文時の叙位申請
 おわりに

第四章 新しい社会原理の模索
    ――三木清と国体イデオロギーの接点…………権 錫 永
 はじめに
 一 日本のヒューマニズム運動の背景
 二 三木清のヒューマニズム論
 三 国体イデオロギーとの接点
 おわりに

第五章 書くべきか、書かざるべきか
    ――マーク・トウェインの悩み……………………竹内康浩
 一 ある文学者の悩み
 二 『ハックルベリー・フィンの冒険』の初期構想
   ――推理小説として
 三 書くべきか、書かざるべきか
 四 『ハック』の完成へ――良心と休戦

第六章 僥倖がもたらした苦悩と絶望
    ――竹取の翁の人生を考える………………………後藤康文
 はじめに
 一 僥倖と逸脱
 二 翁の野望
 三 愛娘喪失と腸断の苦しみ
 四 絶望と死
 おわりに

第七章 是か非か、悩んだ果てに――荘子の悩み…………近藤浩之
 はじめに
 一 『荘子』斉物論篇の「辯」-是非の対立論争
 二 『十七条憲法』に見える是非論争の心得
 三 物として可ならざる無し
 四 朝三暮四――同じ事なのに一喜一憂する愚かさ
 五 類と不類と、相与(とも)に類を為す――対立者同士が同類
 六 対立する両者が同類になる試み
 七 結  論――まとまらないまとめ

第八章 思考抑制――忘れようとすると逆効果…………河原純一郎
 一 シロクマ効果
 二 二重構造の心
 三 皮肉過程理論
 四 どうしたらシロクマ効果を回避できるか
 おわりに

第九章 学生相談に見る現代若者の悩み……………………櫻井義秀
 一 日本人は悩む力をもっているのか
 二 北海道大学の学生相談
 三 現代人の欲求と悩み
 おわりに

あとがき
執筆者紹介

著者略歴

編:仁平 尊明
仁平 尊明
1971年生、筑波大学大学院博士課程地球科学研究科修了。博士(理学)。
現在、北海道大学大学院文学研究科准教授(地域システム科学講座)。
著書にエネルギー効率から見た日本の農業地域』(筑波大学出版会、2011年)、『地域調査ことはじめ-あるく・みる・かく』(梶田真・加藤政洋との共著、ナカニシヤ出版、2007年)、『世界の国々(6)北アメリカ州』(帝国書院編集部編、監修、帝国書院、2012年)。

ISBN:9784832934009
出版社:北海道大学出版会
判型:4-6
ページ数:272ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2017年06月
発売日:2017年06月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VS