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浄土真宗本願寺派 宗法改定論ノート

著:池田 行信

紙版

内容紹介

明治期に西本願寺が日本初の議会制度を導入して140年。浄土真宗本願寺派で危惧される、三権分立による弊害とは何か。宗派と本山本願寺は区分すべきなのか。門主はどのように位置づけるべきなのか。
平成19(2007)年に『浄土真宗本願寺派宗制』を全面改定、平成23(2011)年には『浄土真宗本願寺派宗法』を全文改定、その後も宗法改定の見直しが公言されている。
本書では、浄土真宗本願寺派が直面している諸問題を、「戦後レジーム」「近代主義の限界」という視点で見直すことを提唱。膨大な議事録をもとに昭和30年度、昭和36年度に繰り広げられた宗法改定議論の検討を通して、戦後の宗法改定議論の要点をあぶり出す。

目次

目  次
はしがき
本書の立場と方法

昭和三十年度宗法改定論議
一 「宗政民主化」と「門主制」をめぐる論戦
1 「門主を中心として」の文言挿入
2 「如何せん数において差別がついておる」
3 第百二十回臨時宗会の争点
二 「三権分立主義の弊害を除去」
1 第百二十五回定期宗会の争点
2 《宗門の運営は寺院単位》
3 《公選議員は一教区、僧俗各々一名》
4 「行議兼職」の問題
5 《僧侶教区会議員は組長をもって充てる》
6 門徒議員団の批判──「総局の瓦解でなくして、宗門の内攻」──

昭和三十六年度宗法改定論議
一 「マンモス宗会案」について
1 「企画調査室」の設置と「宗務刷新特別対策委員会」の発足
2 アンケートの集計
3 第百四十一回臨時宗会──「マンモス宗会案の提出」──
4 第百四十一回臨時宗会の質問戦
5 継続審議の背景
6 宗法改定論議の深層
ⅰ 門主の総長指名制について
ⅱ 「宗会の権限縮小」「宗会軽視」について
ⅲ 政局の行方
二 「宗門総会案」について
1 第百四十二回定期宗会の経過
2 「宗会機構改革」をめぐる論議
ⅰ 「宗門総会案」とは
ⅱ 第百四十二回定期宗会の質問戦
ⅲ 宗会解散
ⅳ 宗会機構改革案への反対意見
ⅴ 「宗門総会案」の意味するもの
ⅵ 宗会機構改革案への賛成意見
3 総選挙と特別宗会
ⅰ 総選挙
ⅱ 立候補者とその所信
ⅲ 第百四十三回特別宗会
三 むすびにかえて


あとがき
索引

著者略歴

著:池田 行信
1953年栃木県生まれ。龍谷大学大学院文学研究科博士課程(真宗学)修了。 現在、浄土真宗本願寺派総務、慈願寺住職。 著書に『真宗教団の思想と行動[増補新版]』(法藏館)、『現代社会と浄土真宗[増補新版]』(法藏館)、『現代真宗教団論』(法藏館)など。

ISBN:9784831890337
出版社:法藏館
判型:A5
ページ数:218ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2018年07月
発売日:2018年07月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRFB