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モンゴルにおける浄土思想

著:嘉木揚 凱朝

紙版

内容紹介

著者はモンゴル仏教研究の第一人者。文献学的アプローチとフィールドワークを踏まえて、著者ならではの独自の視点からモンゴルの浄土思想の多様性を考察する。

目次

序…前田龍
刊行に寄せて…中村薫

序論 モンゴル地区仏教・中国仏教徒・日本の浄土意識
  序言
  第1節 モンゴル人の浄土意識
  第2節 モンゴルの臨終問題・依法滅罪
  第3節 中国仏教徒の帯業往生と日本の悪人正機
     1 中国仏教徒の帯業往生
     2 日本の悪人正機
  第4節 モンゴルの葬法
第1章 普賢菩薩十大願によるモンゴル人の阿弥陀仏信仰
  第1節 序言
  第2節 『聖普賢菩薩行願王経』に見られる阿弥陀仏信仰
  第3節 普賢菩薩行願善説荘厳経による阿弥陀仏信仰
  第4節 結語
第2章 モンゴル語訳『聖阿弥陀仏の大乗経』について
  第1節 序言
  第2節 モンゴル語訳『聖阿弥陀仏の大乗経』日本語試訳
  第3節 結語
第3章 モンゴル仏教における禅浄の研究
      ―瑞応寺の活仏と梵宗寺の活仏とを中心にして―
  第1節 序言
  第2節 瑞応寺の活仏チャガン・ティヤンチ・ホトクトの禅浄の実践
  第3節 梵宗寺の丹迥・冉納班雑活仏の禅浄の実践
  第4節 結語
第4章 モンゴル仏教における「朝課」の研究
  第1節 序言
  第2節 「朝課」に用いる経文と願文の由縁
  第3節 結語
第5章 中国の「念仏打七」信仰の復興および現状
  第1節 序言
  第2節 通教寺・広化寺・柏林寺の「念仏打七」
     1 生前往生と死後往生
     2 通教寺と広化寺の「念仏打七」
     3 柏林寺の「念仏打七」
     4 帯業往生の意識
  第3節 浄土聖典と念仏祖師の選択
  第4節 仏・菩薩の縁日における「念仏打七」
  第5節 執持名号を「阿弥陀仏」の4字とする理由
  第6節 現代往生者の実例
     1 比丘性寂法師の往生
     2 比丘尼果松法師の往生
     3 黄念祖居士の往生
  第7節 結語
第6章 文化大革命後のモンゴル仏教の様態
     ―北京市雍和宮と承徳市普寧寺を中心として―
  第1節 序言
  第2節 雍和宮と普寧寺の由縁
  第3節 年中法会活動
  第4節 布薩儀軌
  第5節 釈尊誕生会
  第6節 普寧寺マニ法会(瞑想念仏)
  第7節 大願祈?法会
  第8節 モンゴル仏教の『献沐浴誦』
  第9節 モンゴル仏教における金剛駆魔法舞
  第10節 結語
第7章 仏教の理念をもって信仰と道徳を考える
  第1節 序言
  第2節 『華厳経』で説く浄土信仰について
  第3節 ツォンカパ大師による信仰と道徳の思想
  第4節 星雲大師と弘一法師の人生観
  第5節 儒教と道教および仏教の「因果関係」について
  第6節 仏教で説く「無我」について
  第7節 結語
第8章 モンゴル仏教における無量寿仏灌頂の研究
  第1節 序言
  第2節 発願者の無量寿仏灌頂の概要
  第3節 無量寿仏灌頂の儀式次第
  第4節 結語

後記

著者略歴

著:嘉木揚 凱朝
(Jiamuyang Kaichao)1963年遼寧省阜新蒙古族自治県生まれ。モンゴル族。1990年中国蔵語系高級仏学院卒業、同年北京雍和宮仏学院教師。93年から日本の愛知学院大学に留学、2001年愛知学院大学院にて博士(文学)学位取得。2002年中国社会科学院世界宗教研究所に就任、同朋大学仏教文化研究所客員所員。現在、中国社会科学院世界宗教研究所研究員(教授)。モンゴル語、中国語、日本語、チベット語、パーリ語、サンスクリット語などの幅広い言語を用いて、主に原始仏教、蒙蔵仏教、中日禅宗、浄土宗、密教を研究している。(本データはこの書籍の刊行当時掲載されていたものです。)

ISBN:9784831877079
出版社:法藏館
判型:A5
ページ数:197ページ
定価:6000円(本体)
発行年月日:2016年04月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QRAX