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増補改訂 近代仏教スタディーズ

増補改訂

仏教からみたもうひとつの近代

編:大谷 栄一
編:吉永 進一
編:近藤 俊太郎

紙版

内容紹介

日本近代化の背景には、常に仏教の存在があった――。

廃仏毀釈などの逆境を乗り越え、常に時代の最先端とリンクし、近代社会に影響を与え続けた「近代仏教」。その歴史と魅力を、歴史学・宗教学・文学・社会学などを専門とする気鋭の研究者たちが、豊富な写真と人脈相関図を用いながら活き活きと描いた新視点の近代史入門書。

最新の研究で明らかになった新項目を増補し、初学者のためのブックガイドをさらに充実させた、待望のアップデイト版!

【目次】
はじめに
第1章 「近代仏教」とは何か?
 第1節 「近代仏教」を定義する
 第2節 日本の近代仏教の特徴とは?
 第3節 「仏教の近代化」とは?
 第4節 「近代化と仏教」の関係とは?
 ちょっと一息① 風刺画にみる近代仏教

第2章 近代日本の仏教史をたどる
 第1節 近代の衝撃と仏教の再編──幕末・維新期
 第2節 〝新しい仏教〟のはじまり──明治期
 第3節 社会活動の展開──大正期
 第4節 戦争協力への道──昭和前期
 ちょっと一息② 文学からみた近代仏教

第3章 よくわかる近代仏教の世界
 第1節 グローバルに展開する
 第2節 学問と大学のなかで発展する
 第3節 メディアを活用する
 第4節 社会問題に対応する
 第5節 イデオロギーと結びつく
 第6節 新しい方法で実践する
 第7節 他宗教と関係する
 第8節 新たな研究領域を探究する
 ちょっと一息③ 仏教系新聞・雑誌のなかの広告

第4章 近代仏教ナビゲーション
 第1節 初心者のための人脈相関図
 第2節 初心者のためのブックガイド
 第3節 初心者のためのリサーチマップ
 ちょっと一息④ 近代仏教者たちのポートレート

参考文献一覧
日本近代仏教史年表
あとがき
増補改訂版あとがき
執筆者一覧
索 引

【執筆者一覧(五十音順)】
井川裕覚/石原深予/岩田文昭/岩田真美/江島尚俊/大澤絢子/大澤広嗣/大谷栄一/大西克明/碧海寿広/岡田正彦/葛西賢太/菊地暁/君島彩子/クラウタウ オリオン/栗田英彦/近藤俊太郎/坂本慎一/繁田真爾/清水重敦/髙橋秀慧/高橋原/武井謙悟/谷川穣/辻岡健志/土居浩/戸田ディラン ルアーズ/中川未来/引野亨輔/平山昇/福島栄寿/藤本頼生/藤森雄介/ブレニナ ユリア/星野靖二/守屋友江/吉永進一

目次

はじめに

第1章 「近代仏教」とは何か?
 第1節 「近代仏教」を定義する
 第2節 日本の近代仏教の特徴とは?
 第3節 「仏教の近代化」とは?
 第4節 「近代化と仏教」の関係とは?

 ちょっと一息① 風刺画にみる近代仏教

第2章 近代日本の仏教史をたどる
 第1節 近代の衝撃と仏教の再編──幕末・維新期
 第2節 〝新しい仏教〟のはじまり──明治期
 第3節 社会活動の展開──大正期
 第4節 戦争協力への道──昭和前期

 ちょっと一息② 文学からみた近代仏教

第3章 よくわかる近代仏教の世界
 第1節 グローバルに展開する
1 世界中の宗教者が集まった万国宗教会議/2 海外布教する仏教教団/3 世界を探検する仏教者たち/4 来日した海外仏教者たち/5 仏教交流の場としてのアジア/6 欧米の仏教ブームとアジアの社会参加仏教
 第2節 学問と大学のなかで発展する
1 仏教学はどのように成立したのか?/2 僧侶を育てる大学へ/3 京都学派のとらえた仏教/
第3節 メディアを活用する
1 新しいメディアが仏教を変えた!/2 京都と東京の仏教書出版社/3 ラジオ説教の時代
 第4節 社会問題に対応する
1 社会事業に取り組む仏教者たち/2 部落解放と真宗信仰/3 教誨師の百年
 第5節 イデオロギーと結びつく
1 修養と教養を発信する仏教界/2 戦場のなかの禅/3 超国家主義にみる仏教
 第6節 新しい方法で実践する
1 グローバル化する仏教瞑想/2 坐法と呼吸法のブーム/3 儀礼の伝統と新しい儀礼/4 近代化する葬儀
 第7節 他宗教と関係する
1 キリスト教と出会った仏教/2 ユニテリアンの与えたインパクト/3 反宗教運動との衝突、新興類似宗教への批判/4 戦没者を祭祀する
 第8節 新たな研究領域を探究する
1 語りなおされる宗祖1──親鸞像/2 語りなおされる宗祖2──日蓮像/3 「勤王僧」の登場/4 皇室と仏教/5 仏像と仏画/6 仏教と女子教育/7 儀礼とメディア/8 鉄道と社寺参詣

 ちょっと一息③ 仏教系新聞・雑誌のなかの広告

第4章 近代仏教ナビゲーション
 第1節 初心者のための人脈相関図
1 西本願寺系──禁酒から改革、そして国際化へ/2 浩々洞──師、清沢満之との生活/3 求道学舎──浄土真宗説教師・近角常観の舞台/4 新仏教運動──体制批判した青年仏教徒たち/5 国柱会──一世を風靡した日蓮主義のネットワーク/6 ユニテリアン──近代仏教と深いつながりのキリスト教/7 明治二〇年代の海外仏教者たち──オカルトワールドと仏教/8 大正~昭和初期の海外仏教者たち──鈴木大拙夫妻と神智学/9 哲学館系──明治の新仏教運動の一大拠点/10 東京帝国大学系──仏教学の誕生/11 京都帝国大学系──歴史学・民俗学での展開/12 女性仏教者──信仰に生きた姿/13 大正大学系──戦間期に生まれた仏教連合のシンボル
 第2節 初心者のためのブックガイド
1 近代宗教史研究の必読文献──入り口はどこにある?/2 近代仏教研究の必読文献1──定番といえばまずこれだ!/3 近代仏教研究の必読文献2──これからどこへ向かうのか?/4 トランスナショナルな近代仏教史1──国境を越える!/5 トランスナショナルな近代仏教史2──国境を越えた双方向的な影響関係/6 精神主義の研究──浩々洞同人たちの信仰/7 新仏教運動の研究──社会主義者から芸術家まで/8 近代真宗史の研究──近代仏教研究の中心軸/9 近代法華・日蓮系の研究──その幅広い影響をつかむ/10 禅のグローバル化──禅がZENになるとは?/11 仏教学の形成と展開──大学と仏教の結びつき/12 近代仏教と戦争──仏教は戦争を肯定したのか?/13 日本仏教と植民地主義──仏教は植民地で何をしたのか?/14 近代仏教と社会活動──医療・福祉・差別/15 近代仏教と民俗──生活のなかの仏教/16 近代仏教とキリスト教──排斥と対話/17 近代仏教とジェンダー──女性と家庭/18 法華系新宗教の研究──法華信仰の伝統と革新/19 近代仏教の写真集──撮された民間の信仰世界
 第3節 初心者のためのリサーチマップ
1 図書館とアーカイブ──学びと調査のスタートライン/2 博物館──近代の仏教者の足跡をたずねて/3 建築物──モダンな仏教のモダンな建物

 ちょっと一息④ 近代仏教者たちのポートレート

参考文献一覧
日本近代仏教史年表
あとがき
増補改訂版あとがき
執筆者一覧
索 引

著者略歴

編:大谷 栄一
佛教大学社会学部教授。専門は宗教社会学・近代仏教。主な著書に、『近代仏教という視座―戦争・アジア・社会主義―』(ぺりかん社、2012年)、『日蓮主義とはなんだったのか―近代日本の思想水脈―』(講談社、2019年)、『近代仏教というメディア―出版と社会活動―』(ぺりかん社、2020年)などがある。
編:吉永 進一
元舞鶴工業高等専門学校教授。専門は近代仏教・近代秘教思想。著書に、『神智学と仏教』(法藏館、2021年)、『近現代日本の民間精神療法―不可視なエネルギーの諸相―』(共編、国書刊行会、2019年)、『日本仏教と西洋世界』(共編、法藏館、2020年)などがある。
編:近藤 俊太郎
本願寺史料研究所研究員。専門は日本仏教史。著書に、『天皇制国家と「精神主義」―清沢満之とその門下―』(法藏館、2013年)、『近代の仏教思想と日本主義』(共編、法藏館、2020年)、『親鸞とマルクス主義―闘争・イデオロギー・普遍性―』(法藏館、2021年)などがある。

ISBN:9784831855800
出版社:法藏館
判型:A5
ページ数:352ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2023年04月
発売日:2023年04月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QRAX