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沖縄大学地域研究所叢書

世界の沖縄学

沖縄研究50年の歩み

著:ヨーゼフ・クライナー

紙版

内容紹介

中世ヨーロッパの地図に琉球はどう描かれていたか、琉球を最初に知ったのはアラブの商人だった、大航海時代にスペイントポルトガルが琉球をめぐって競争した等国際的な視点からの琉球・沖縄研究の集大成。

目次

まえがき      清成 忠男(法政大学学事顧問・沖縄協会会長)
沖縄研究の国際化
日本研究にとって「沖縄」は不可欠/中世ヨーロッパの地図に見る日本/琉球を最初に知ったのはアラブ商人/大航海時代、琉球をめぐるスペインとポルトガルの競争/「戦争をしない国、琉球」を信じないナポレオン/大シーボルトが伝えた沖縄情報/明治期にピークを迎えた琉球研究/ヨーロッパの沖縄関係コレクション/諸外国で盛んになる沖縄研究
世界の沖縄学――沖縄研究五〇年の歩み
沖縄との最初の出会い/東京大学に留学/柳田國男先生、外間守善先生と同級生の仲間たち/奄美・加計呂麻島で過ごした日々/シャーマニズムというパラダイム/もう一度南西諸島の島々へ/日本学や沖縄学のパラダイムの変化/モノを初めて視野に入れる研究/琉球・沖縄コレクションの役割/世界の沖縄研究の動き
沖縄のアイデンティティを考える
琉球・沖縄のターニングポイント/日本研究のパラダイムの変化/アイデンティティの定義/「超歴史的」なアイデンティティはありうるか/二重のアイデンティティ/二つのアプローチ/比較の観点から
ヨーロッパ製地図に描かれた琉球
交流の歴史・その発展と変容/ポルトガルの琉球地図の時代/情報不足の時代と中国からの新しい刺激/再発見と新しい研究の時代
ヨーロッパの博物館・美術館保管の日本コレクションと日本研究の展開
文献学・文学としての日本学/社会科学的なアプローチとしての日本研究/再びのパラダイムの変化――モノを視野に入れる/ヨーロッパの日本コレクションと日本観の形成
歴史的背景―ヴィーン歴史民族学派と日本民族学の形成、及び日本民族学が中欧の日本研究に及ぼした影響―
柳田國男とヨーロッパの民俗学/岡正雄とヴィーン歴史民族学/岡正雄と日本民族学の草分け/岡論文と日本やヨーロッパの学会/戦後の動き――ヴィーンと日本
私の旅の日本
遠い国との出会い/文献学的ジャパノロジーからの脱却/私の足の旅/〈モノ〉に心を通わせる日本人/ヨーロッパに影響を与えた日本文化/終着駅は始発駅

著者略歴

著:ヨーゼフ・クライナー
1940年オーストリア・ヴィーン生まれ。ヴィーン大学や東京大学東洋文化研究所にて民族学・考古学・日本研究を専攻。
ヴィーン大学教授、日本学研究所所長、ボン大学教授、日本文化研究所所長、近現代日本研究センター所長、ドイツ連邦政府ドイツ-日本研究所東京初代所長、ボン大学名誉教授。2005~2010年法政大学特任教授。2010年~法政大学国際戦略機構特別教授。
昭和37年から南西諸島はじめ、若狭地方、熊本阿蘇地方、薩摩半島、大隅半島などで実地調査。昭和50年代に入ってから、ヨーロッパの博物館、美術館で保管されている日本関係コレクション、特にアイヌ・沖縄、そして最近は仏教美術のコレクションの調査を通じて、ヨーロッパにおける日本観を研究している。

ISBN:9784829505656
出版社:芙蓉書房出版
判型:4-6
ページ数:184ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2012年11月
発売日:2012年11月07日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WTL
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:WTR
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:1FPJ