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チベット学問僧として生きた日本人

多田等観の生涯

著:高本康子

紙版

内容紹介

日本人はチベットと、どのようにかかわってきたのか?
明治末~大正期に秘かにチベットに入り、ダライラマ13世のもとで10年間修行した僧侶の生涯を追った評伝。
チベット大蔵経、医学・薬学の稀覯本など貴重な資料を持ち帰った多田等観の功績は大きい。

目次

序章 多田等観が生きた時代
「入蔵者」多田等観/近代日本とチベット/「港っ子」多田等観

第一章 明治日本とチベット
チベットへの最初の視線/大陸の「志士」たち/仏教者の「入蔵熱」/能海寛の「チベット」/能海寛の挑戦/成田安輝とチベット/寺本婉雅とダライラマ13世/日本最初のチベット・ブーム/河口慧海の登場/河口のチベット体験/河口帰国後のセンセーション/能海寛横死報道/スヴェン・ヘディンの来日

第二章 チベットへ
大谷光瑞との出会い/チベット人たちとの生活/大谷光瑞と大谷探検隊/大谷探検隊の活動/大谷探検隊とチベット/日本出発/ヒマラヤ山麓にて/青木文教のラサ滞在

第三章 ラサでの生活
等観の入蔵/ダライラマ13世との再会/僧院での修学/日常生活/チベット各地への旅/ダライラマ13世との交流/チベットと日本の間で/ラサの日本人たち/等観と英国人/仏典をめぐって

第四章 帰国後の多田等観
帰国/大正期の仏教界とチベット/帰国後の進路/戦時期の「喇嘛教」/野元甚蔵と等観/西川一三、木村肥佐生の派遣

第五章 晩年の多田等観
戦後の等観/アメリカへ/広がる輪/日本山岳会のマナスル登山/チベットの「証言者」/登山家たちとのかかわり/牧野文子とチベット/『チベット滞在記』の完成/花巻の人々との交流

終章 日本人と「多田等観」
故郷秋田での「発見」/現代日本と「多田等観」

多田等観研究の現在

著者略歴

著:高本康子
1967年、横浜市生まれ。2006年3月東北大学国際文化研究科博士課程後期修了、博士(国際文化)。東北大学大学院国際文化研究科専門研究員、アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター非常勤講師を経て、現在、群馬大学「アジア人財資金構想」高度専門留学生事業担当講師。専門は比較文化論、日本近代史。著書に『近代日本におけるチベット像の形成と展開』(芙蓉書房出版、2010年)。

ISBN:9784829505502
出版社:芙蓉書房出版
判型:4-6
ページ数:170ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2012年02月
発売日:2012年02月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRFB