道歌(どうか)とは「道徳・教訓など人の生き方を説いた和歌」。幕末に出版された「道歌 心の姿見」の著者三五園月麿は、道歌に託して人間同士の和合心、人として生きるための真理を説いている。庶民に理解できるよう挿絵をふんだんに使って書いた34テーマの内容は、150年を経た現代にもあてはまることが多い。“心” が病んでいるといわれる時代に新鮮さを感じさせる本。大倉精神文化研究所は、江戸時代の道歌集の総合的研究を進めており、本書は最初の研究成果である。原著の影印・翻刻、現代語訳のほか、道歌と挿絵の解説、用語註までていねいに付している。