長唄の伝承 完結
旋律形成に関する学際的研究
編:坂本清恵
他著:高桑いづみ
他著:配川美加
紙版
内容紹介
歌舞伎とも関わりの深い長唄。その旋律はどのような過程で誕生したのだろう。先行芸能である能の影響はどこまで受けたのか。日本語のアクセントはどこまで旋律に反映しているのか。そして、どのように伝承されてきたのだろう。そのような関心を持った四人の研究者が集まった。
本研究は、2015年12月、高桑が当時在籍していた東京文化財研究所無形文化遺産部第十回公開学術講座で、坂本が「近世邦楽のアクセント」について長唄《鶴亀》を取り上げて講演したことを嚆矢とする。声楽曲の多い日本音楽にとって、アクセントが旋律形成に関わる重要な要素であることをその講演で示した。
本書は、2015年の公開学術講座とその後のシンポジウムの内容を論文化し、関連する様々な研究活動をまとめたものである。
目次
はじめに-配川美加
第一章 長唄譜本と伝承
第二章 能と長唄の接点
第三章 長唄の音声研究
第四章 今藤政太郎師聞書-長唄の伝承曲を中心に-
第五章 『糸竹古今集』『糸竹五色貝』の五線譜
おわりに-坂本清恵