会社事件史
著:奥村 宏
著:佐高 信
内容紹介
村上ファンド、ライブドア、山一證券、日興コーディアル、三菱自動車工業……どうして会社は事件を起こすのか!? 戦後62年の会社事件を総ざらえして、個別の事例やエピソードをふかく探る。では、会社をどうとらえるか? 混迷する現実の渦中からこれからの会社のあり方を読み解く。
目次
まえがき 佐高 信
I バブル崩壊以後の事件史
1 バブル崩壊の意味するもの
なぜバブルは発生したのか
リクルート事件
三菱重工の転換社債事件
総会屋事件と山一證券の崩壊
ホリエモンと村上ファンド
ニッポン放送と阪神電鉄株の買占め事件
解体現象に付け入る外資
ダイエーの没落
2 銀行の問題
公的資金とは誰のカネか
株式会社の社会的責任
三井住友銀行の誕生
りそな銀行の不良債権
日興コーディアル株を上場廃止できるか?
北海道拓殖銀行の破綻
銀行合併はうまくいかない
持株会社は危険
小糸製作所株の買い占め
3 会社の乗っ取りと合併
TOBと乗っ取り
いすゞとGMの提携
GM・フォードそしてトヨタ──自動車産業の盛衰
メインバンクシステムが崩れている
ハゲタカ・ファンドによる大企業解体
トヨタの二十年後は、今のGMを見よ
4 公害・薬害・食害・事故隠し
欠陥車問題
水俣病のチッソは刑事罰を受けていない
「公害」は「会社害」
構造改革は「政財界の鉄の三角形」を崩した
相次ぐ電力会社の事故かくし
5 会社を監視する
堕落したジャーナリズム──日本経済新聞
アメリカのジャーナリズム
広報部というマスコミ対策
独立した記者の役割
「要注意人物」
擬制的同族支配──松下とトヨタ
御用学者の群れ
岐路に立つジャーナリズム
II バブル崩壊以前の事件史
1 戦後四十年までをさぐる
西山弥太郎(川鉄社長)の時代
表と裏の顔を持つ日本企業
倉紡、鐘紡のお家騒動
三池争議と生産性向上運動
高度成長にみる内部化の論理
昭和三十年代は大企業の時代
ジャーナリストに問題はないか
2 財閥解体と再生
財閥解体のカギは株
占領政策に迎合した財閥
財閥の解体で企業が発展
三菱商事、三井物産の再合同
「法人資本主義」と企業
3 公害と企業戦略
チッソ水俣病
法人には刑事責任がない?
「社長も水銀の入った水を飲め」
会社がつぶれたら困る
風上に住んでいる工場長
4 企業と消費者運動
ホンダ対ユーザーユニオン
フェアプレーは成り立たない
松下電器のカラーテレビ二重価格事件
独禁法と消費者保護
サントリーにそっぽ
5 買占め・乗取り
陽和不動産(現・三菱地所)株の買占め
白木屋(現・東急百貨店)の乗っ取り
近鉄による奈良電鉄乗っ取り
三光汽船vsジャパンライン
財界は買占めにどう対応したか
安定株主工作のもつ危険性
6 倒産
系列化の手段に使われる
会社更生法と銀行
山一證券、安宅産業の救済
倒産と経営者の責任
三光汽船の倒産
何が虚業か、実業か?
7 疑獄と企業社会
昭電、造船、炭鉱国管
八幡製鉄政治献金事件
ロッキード事件と田中角栄
政治家が総会屋的になる
表の論理、裏の論理
使途不明金の責任の行方
8 日本的経営と合併
三菱商事の大合同と岩田商事の倒産
住友グループの外延的拡大戦略
三菱重工合併と海運再編成
新日鉄合併と独占禁止法
挫折した銀行合併、三菱─第一、住友─関西相互
9 株価操作
殖産住宅株で儲けた首相
公募といえるのか?
株で儲ける政治家たち
四大証券による大量推奨販売
証券と法人の連合が株価を左右
時価発行は株主の権利侵害か?
10 日本的経営と労働組合
労組は出世へのジャンプ・ボード
高度成長を支えたブルーホワイト
労働運動の変容と企業社会
生産性向上運動の展開と労働組合
企業一家主義を支える労働組合
日本的経営と日本的労働運動
あとがき 奥村 宏
会社を見る眼
氾濫する一方的会社情報
会社事件史が意味するもの
ISBN:9784822807443
。出版社:七つ森書館
。判型:4-6
。ページ数:256ページ
。定価:1500円(本体)
。発行年月日:2007年06月
。発売日:2007年06月19日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ。