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SE職場の真実

どんづまりから見上げた空

著:赤 俊哉

紙版

内容紹介

IT業界「多重下請け」の実話
この過酷な労働環境は過去の話なのか!?

 本書には2つのことが書いている。

 1つは、IT業界の末端で働く人から見た世界だ。
昨今は「働き方改革」が叫ばれるが、現場を無視した働き方改革など全く意味がない。改革を進める人たちはどれほど現場を知っているのだろうか。
間違った改革をしないためには現実から目を背けてはいけない。単純に労働時間の短縮を進めても、そのしわ寄せは立場の弱い人のところにいくだけである。

 もう1つは、システム開発に関わる立場によって見えている世界の違いだ。
システム開発には、発注企業の業務部門、システム部門、受託したITベンダー、その下請けとなるソフトハウスなど、様々な立場がある。
立場が違えば見える世界が違うのは当然。だが、得てして人はそれを忘れてしまう。優れたシステムはよい環境からしか生まれない。「あの現場は最低だった」と言われる環境で優れたシステムができるわけがない。
良いシステムを開発・運用するには、システムに関わるすべての人を理解することが欠かせない。
本書には、下請けソフトハウスのプログラマのほか、設計担当者、システム部門の責任者、業務部門の社員など。それぞれの視点で見えた世界を書いている。

 ITに関わるすべての人に本書を読んでほしい。優れたシステムはよい環境からしか生まれないからだ。
IT業界の働き方改革を進める人にとっては、本書は本当の現場を知ることができる貴重な存在になるだろう。

目次

プロローグ
「正常動作するまで出るな」
冷凍マシン室に入れられた話

◆◇第1部 SE・プログラマから見える世界◇◆
 ◇第1章 「新人なのに経験者」偽の職歴で売られた
 ◇第2章 「生き延びる情報」を交換 3次請けとして派遣される
 ◇第3章 「ふざけんじゃねえよ」発注元に切れた
 ◇第4章 負け犬根性にもがく 短期派遣を複数経験
 ◇第5章 「頼む、死んでくれ」派遣SE最悪の現場
 ◇第6章 クリスマスイブに緊急性皆無の「緊急会議」
 ◇第7章 「ブチッと何かが切れた」陰険上司に足を出す
 ◇第8章 ソフトハウスを辞める 友人は業界の闇に消えた

◆◇第2部 情報システム部門から見える世界◇◆
 ◇第9章 「責任感がないのか」転職直後に覚えた違和感
 ◇第10章 「廃棄しかないか」システムを同志と作り直す
 ◇第11章 「こんなもんいらん!」設置PCを放り出される
 ◇第12章 理想のシステム開発が実践できた

◆◇第3部 業務部門から見える世界◇◆
 ◇第13章 「使う」側と「作る」側の論理は根本的に違う
 ◇第14章 ついに「情報システムのユーザー側責任者」になる

◆◇第4部 IT業界に入る前に見ていた世界◇◆
 ◇第15章 高校時代に大病 新宿中央公園が心の故郷
 ◇第16章 「SEが足りなくなる!」 新聞記事を読んで動き出す

◆◇第5部 未来に向けて◇◆
 ◇第17章 プロフェッショナルとは?リーダーとは?
 ◇第18章 「私はコボラー」若者にはキャリアプランを

ISBN:9784822259990
出版社:日経BP
判型:A5
ページ数:240ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2017年10月
発売日:2017年10月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:UD