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極める! 小児の服薬指導

著:松本 康弘

紙版

内容紹介

"薬が苦くて飲めない! 内服薬を吐き出した!"
お薬手帳に貼って使える<お役立ち 患者指導箋>が、保護者に好評です。

患児に適した薬用量、剤形、薬の飲ませ方など、小児の調剤・服薬指導には特有の難しさがあります。その服薬指導のポイントを、現場に立つ小児薬物療法認定薬剤師がアドバイスします。

さらに、保護者をサポートする【患者指導箋】を厳選収録。薬局で丁寧に説明しても、服薬指導の内容を忘れてしまう保護者は少なくありません。その内容を帰宅後でも確認できる、服薬指導の補助ツールとして重宝します。

選ばれる「かかりつけ薬剤師」になるために、小児こそ、薬剤師の腕の見せどころです。

目次

■1章 小児服薬指導の基礎知識
第1話 小児の服薬指導の特徴
第2話 服薬指導で収集すべき情報
第3話 小児で見られる疾患
第4話 小児の薬物動態の特徴
第5話 小児薬用量1 添付文書に記載がある場合
第6話 小児薬用量2 添付文書に記載がない場合
第7話 監査時に便利な小児薬用量の早見表
第8話 保護者への服薬指導1
 「薬を飲んでくれない」悩みに応える
第9話 保護者への服薬指導2 患者指導箋を活用
 〔コラム〕患者満足度への影響大きい待合の雰囲気
第10話 保護者への服薬指導3
 時には「頑張り過ぎないで」と伝えてあげよう
 〔コラム〕保育園では与薬依頼票が必要
第11話 小児への服薬指導
 プレパレーションで服薬アドヒアランス向上
 〔コラム〕小児薬物療法認定薬剤師の資格を取ってみました

■2章 年齢に合った飲ませ方
第1話 「指示通り服用」はわずか55%
第2話 おすすめの飲ませ方は年齢に応じて変わる
第3話 新生児~1歳前後はスポイトで飲ませる
第4話 乳幼児にはお薬団子もおすすめ
第5話 薬局で乳児に薬を飲ませてみる
第6話 1歳前後~3歳は食品に混ぜる手も
第7話 子どもの心をくすぐる粉薬の「おとなのみ」

■3章 剤形ごとの使い方指導
第1話 粉薬は味だけでなく、溶解性や保存方法も説明
第2話 錠剤・カプセル剤は口を湿らせてから飲む
第3話 吸入薬は年齢に合ったデバイスを選択
第4話 乳幼児への坐薬はオムツを替える姿勢で使う
第5話 イチジク浣腸は1歳未満には半量を使用
第6話 軟膏は塗布量や範囲、塗り方を具体的に説明
第7話 目薬はあっかんベーのポーズで点眼
第8話 ツロブテロールテープは皮膚のかぶれに注意

■4章 Q&Aでみる 薬剤ごとの服薬指導
第1話 解熱鎮痛薬
 ・熱さましはどんなときに使えばいい?
 ・熱はないが、痛みに解熱薬を飲ませて大丈夫?
 ・熱性痙攣の予防に解熱薬は有効?
 ・解熱薬は粉薬より坐薬の方が早く効く?
第2話 抗菌薬
 ・かぜに抗菌薬を出してほしいのですが……
 ・前回と違う抗菌薬が出たのはなぜ?
 ・クラバモックスは食後に飲んでも大丈夫?
第3話 抗ヒスタミン薬
 ・抗ヒスタミン薬を飲ませると眠くなる?
 ・抗ヒスタミン薬で熱性痙攣を起こしやすくなる?
第4話 鎮咳薬・去痰薬
 ・咳止めは副作用が出やすいって本当ですか?
 ・去痰薬を飲ませたら、かえってむせました
 ・ムコダインSの先発品と後発品の違いは?
第5話 その他小児に処方される薬
 ・ダイアップ坐剤の2回目はいつ入れる?
 ・子どもに向精神薬が処方された?
 ・ステロイドは副作用が怖いので、使いたくないのですが……
 ・ステロイドを長く飲み続けると、身長が伸びなくなるのでしょうか
 ・ステロイド服用中に、ワクチンを接種しても大丈夫ですか
 ・抗てんかん薬はどんな味?
第6話 サプリメント
 ・サプリメントで子どもの身長は伸びるか?
 ・妊婦の正しい葉酸の取り方は?

■5章 薬局で経験する小児の副作用
第1話 問い合わせの多い副作用は、眠気、便の異常、発疹
第2話 薬局でよく遭遇する抗菌薬による下痢
 〔コラム〕抗菌薬による下痢の発症率は?
第3話 セフジトレンによる低血糖
第4話 β2刺激薬による頻脈、振戦
第5話 トラニラストによる難治性の膀胱炎
第6話 抗ヒスタミン薬の中枢作用に注意
第7話 ジアゼパム坐薬によるふらつきは筋弛緩作用が原因
第8話 薬物アレルギーは予測不可能で症状が多彩
第9話 アセトアミノフェンによる薬疹で顔に紫斑
第10話 カルボシステインの薬疹は夜飲むと起こりやすい
第11話 アスピリン喘息はCOX阻害作用が原因
第12話 抗インフルエンザ薬と異常行動との関連は?
第13話 セフジニル細粒で便が赤色に
第14話 バナナと鉄剤シロップで口の中が真っ黒に

■6章 妊婦・授乳婦の相談対応
【妊婦編】催奇形性や胎児毒性がある薬剤を把握する
 ・多くの薬物は胎盤を通過する
 ・妊娠週数で薬の影響は異なる
 ・ベースラインリスクを念頭に説明を
 ・催奇形性・胎児毒性がある薬剤を知ろう
 ・薬局では妊娠後期のNSAIDsに注意
 ・妊婦への投薬「禁忌=リスク増」と限らず
 ・慢性疾患ではアドヒアランス高める服薬指導を
 ・妊娠に気付かず服薬した場合の対応
【授乳婦編】薬剤の母乳移行性を調べよう
 ・母乳の利点と薬剤の影響を考慮して決定
 ・母乳を介した曝露量は非常に少ない
 ・「M/P比1以上」は乳汁中に濃縮
 ・RID10%以下が判断の目安
 ・バラシクロビルのRIDは4.7%
 ・ロキソプロフェンは授乳中に服用可能
 ・抗癌剤、放射性ヨードは服薬禁止
 ・参考にできる書籍や文献を手元に置こう
 ・ウェブサイトLactMedもお勧め
〔コラム〕母親のCYP2D6遺伝子変異で乳児がモルヒネ中毒死の報告
〔コラム〕大分県地域保健協議会の「母乳とくすりハンドブック」

■7章 お役立ち 患者指導箋
●お薬の飲ませ方
1 乳児の服薬
2 粉薬の飲ませ方<乳児編>
3 お薬の飲ませ方<小児編>
4 お薬を水に溶かして飲む
5 小学生の服薬
6 粉薬の飲ませ方1
7 粉薬の飲ませ方2
8 粉薬の飲ませ方3
9 粉薬の飲ませ方4
10 お薬Q&A

●苦い薬の飲ませ方
1 クラリシッドの飲ませ方
2 ジスロマックの飲ませ方
3 エリスロシンWの飲ませ方
4 バナンの飲ませ方
5 タミフルの飲ませ方
6 小青竜湯の飲ませ方

●お薬の使い方
1 坐薬の使い方
2 軟膏の塗り方
3 この軟膏、なめても大丈夫?目に入っても大丈夫?
4 目薬のさし方
5 イチジク浣腸の使い方 綿棒浣腸の方法

●ホームケア
1 嘔吐したら
2 脱水症状
3 下痢のときに出されるお薬
4 おしりのケア
5 嘔吐下痢症の予防
6 インフルエンザ
7 体調が悪いときの離乳食
8 下痢のときの食事
9 肌の保湿はこまめに

●授乳と薬
1 授乳中のお薬について
  気になることがあれば薬剤時にご相談ください
2 母乳のメリット
3 薬が母乳中に移行する機構
4 授乳中のお母さんが注意すべき嗜好品は?

●子育てサポート
1 呼吸器感染症
2 ジェネリック医薬品について
3 市販薬の使い方
4 市販薬の注意点
5 病気を予防しましょう
6 赤ちゃんの元気度チェック
7 急な症状の変化で医療機関を受診するとき
8 誤飲・誤食したとき
9 被災時に必要な知識
10 災害時のミルクの対応

ISBN:9784822258740
出版社:日経BP
判型:B5
ページ数:328ページ
定価:5800円(本体)
発行年月日:2018年02月
発売日:2018年02月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MJ