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医療訴訟のここがポイント

注目判例に学ぶ医療トラブル回避術 2

編:日経メディカル

紙版

内容紹介

53判例の内容と教訓を一挙紹介。
説明不足、記録の不備、疾病見落とし… 紛争の芽を摘み、解決に導く術がわかる!

53の裁判事例を、医療訴訟に携わる7人の弁護士(※)が徹底解説。現場の医師やスタッフが知っておきたいトラブルの回避策や患者家族への説明や記録のポイント、患者の受け入れやフォローに際しての注意点、各種照会への対応といった対処術をお伝えします。

<主な内容>
第1章 トラブル予防・対処の心得と手法
 診療に起因するトラブルを防ぐために、現場で普段から取り組んでおくべき事柄や、実際にトラブルが発生した場合の対処法を、医療訴訟の経験豊富な弁護士が解説。患者家族への説明や記録のポイント、患者の受け入れや転院に際しての注意点、示談の進め方などを具体的に紹介。

第2章 53の裁判事例に学ぶ
 治療・処置、検査、診断、病棟管理などのパターン別に、注目度の高い最近の47の判例をピックアップして紹介。事件の概要や判決内容、得られた教訓などを、医療訴訟に携わる7人の弁護士が徹底解説。

(※)

◆ 札幌アライアンス法律事務所 石黒 敏洋
◆ 北澤龍也法律事務所 北澤 龍也
◆ 仁邦法律事務所 桑原 博道/蒔田 覚
◆ 中村・平井・田邉法律事務所 平井 利明/田邉 昇
◆ 新伝馬法律事務所 水澤 亜紀子

目次

第1章 今日から実践! トラブル予防・対処の心得と技法

1.紛争の芽の見つけ方・摘み方
2.診療記録の残し方
3.診療拒否が問題になるとき
4.診断書の内容に関する要請への対応
5.証拠保全への対処法
6.捜査機関や弁護士会からの照会があったら


第2章 53の裁判事例に学ぶ

治療・処置関連

健診時の採血で後遺症 不可避な合併症で無責
(東京地裁2007年4月9日判決)

手術の適応ありと判断も 説明義務違反で賠償命令
(名古屋地裁2008年10月31日判決)

褥瘡から敗血症に至り死亡 感染症の治療が不適切と認定
(大分地裁2009年3月26日判決)

患者が胃穿孔でショック死 開腹術の決断が遅れたと認定
(横浜地裁2009年4月15日判決)

わずかの延命は賠償に値せず 高齢者の死亡事故で逆転判決
(東京高裁2009年4月28日判決)

帝王切開術の遅れで脳障害 高裁が医師無責の逆転判決
(東京高裁2009年5月31日判決)

抗凝固療法が不十分で脳梗塞 リスク説明怠った医師に過失
(岐阜地裁2009年6月18日判決)

消化管穿孔で開腹手術せず 保存療法の選択に過失なし
(広島地裁2009年9月11日判決)

脳内出血で産婦が死亡 CT検査の未実施に過失なし
(大阪地裁2010年3月1日判決)

鎖骨骨折の患者が病院で死亡 経過観察が不適切と認定
(前橋地裁2010年4月30日判決)

パイプカット術後に妻が妊娠 不貞疑惑招き賠償責任認容
(仙台地裁2010年9月30日判決)

誤指示で薬剤を過剰投与 担当医は有責も上席医は無責
(東京地裁2011年2月10日判決)

最高裁が期待権の解釈示す 極端な不適切医療に限り検討
(最高裁2011年2月25日判決)

結石除去できず膵炎、糖尿病に 医療水準の検討なく有責に疑問
(那覇地裁2011年6月21日判決)

ブロック注射で後遺症 気管切開の遅れを認定
(東京地裁2012年1月26日判決)

25年前の手術でタオル遺残 病院の時効完成の主張否定
(東京地裁2012年5月9日判決)

「カルテの記載が不自然」 産科訴訟で医師側敗訴
(東京地裁2012年10月25日判決)

動脈穿刺を巡りトラブル 裁判所は神経損傷と認定
(仙台地裁2013年2月14日判決)

抗癌剤投与後に急死 「医師に過失なし」の判決
(大阪地裁2013年2月27日判決)

部活中に熱射病で生徒死亡 冷却遅れで搬送先医師に過失
(大分地裁2013年3月21日判決)

脳動脈瘤の手術後に死亡 説明義務違反で有責に
(東京地裁2013年3月21日判決)

麻酔事故で脳機能障害 刑事訴追も無罪判決に
(横浜地裁2013年9月7日判決)

腰椎椎弓切除術後に後遺障害
(宮崎地裁2014年7月2日判決)


診察・診断関連

入院患者がドクハラを提訴 限度は超えていないと棄却
(東京地裁2007年7月12日判決)

ギプス固定で肺塞栓発症 医療水準から予防義務なし
(仙台地裁2008年8月19日判決)

慢性肝炎から肝癌発症 検査怠った開業医に過失
(岐阜地裁2009年1月28日判決)

MRSA感染で状態悪化し死亡 細菌検査が遅れたと過失認定
(大分地裁2009年10月1日判決)

小児が絞扼性イレウスで死亡 医師の検査義務違反を認定
(横浜地裁2009年10月14日判決)

精神遅滞で患者の問診困難も イレウス鑑別の過失を認定
(仙台地裁2010年5月24日判決)

因果関係ないのに賠償命令 診療への患者の期待権を侵害
(仙台地裁2010年6月30日判決)

急性心疾患を見逃し患者死亡 専門外の医師の過失認めず
(福岡高裁2010年11月26日判決)

高齢者の消化管穿孔を見逃し CT検査を怠った過失を認定
(名古屋地裁2011年1月14日判決)

医師の証言採用されず 陳述書などとの食い違いで
(東京地裁2011年3月23日判決)

「医師の言動でPTSD」認めず 最高裁で病院側が逆転勝訴
(最高裁2011年4月26日判決)

胃癌と信じ込み手術実施 病変の変化を再検討せず有責
(東京地裁2011年5月19日判決)

TIAを見逃し重い後遺症 循環器科医の過失を認定
(福岡地裁2012年3月27日判決)

病棟で肺塞栓症に陥り死亡 当直医の診断ミスを認定
(さいたま地裁2013年9月26日判決)


病院管理・看護管理

診療録の一部を紛失 患者に提示できず賠償命令
(大阪地裁2007年6月14日判決)

暴言を吐く迷惑患者 脅迫罪・強要罪で実刑判決
(広島地裁2009年3月4日判決)

入院患者が屋上から転落死 予見可能性なく病院無責
(東京地裁2009年9月15日判決)

居眠り運転で医師が事故死 過労招いた大学に有責の判決
(鳥取地裁2009年10月16日判決)

病院が診療録の開示を拒否 患者の利益を侵害したと認定
(東京地裁2010年1月28日判決)

患者の同意なく診療情報漏示 裁判所の求め以外は違法に
(さいたま地裁川越支部2010年3月4日判決)

「爪剥がし事件」で逆転無罪 正当な医療行為と認定
(福岡高裁2010年9月16日判決)

保険会社への事故報告書 患者の開示要求を棄却
(最高裁2011年9月30日判決)

高齢者が浴室で熱傷負い死亡 看護師の注意義務違反認める
(千葉地裁2011年10月14日判決)

親のネグレクトでくる病を発症 要保護と通告した病院は正当
(横浜地裁2012年10月30日判決)

移動介助中に患者が転倒 看護助手の過失を認定
(東京地裁2012年11月15日判決)

カンガルーケア中に急変 病院側の過失を否定
(大阪地裁2013年9月11日判決)


その他

病気腎移植で名誉毀損訴え 「これ犯罪ですよ」も無責に
(松山地裁2011年6月29日判決)

イレッサの添付文書記載問題 製薬会社と国に責任なし
(東京高裁2011年11月15日判決)

鑑定医による情報漏示 最高裁で有罪が確定
(最高裁2012年2月13日判決)

人工心臓の治験後に死亡 プロトコル違反認める判決
(東京地裁2014年2月20日判決)

執筆者一覧

ISBN:9784822231989
出版社:日経BP
判型:A5
ページ数:368ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2015年01月
発売日:2015年01月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MBN