「新国立」破綻の構図
当事者が語る内幕
編:日経アーキテクチュア
内容紹介
白紙撤回後の新計画に失敗の教訓を生かせるのか?
今世紀最大の国家プロジェクト問題の本質に迫る
劣化するものづくり日本現場からの警鐘
コストの膨張など様々な問題が指摘された新国立競技場の旧整備計画。
最前線の建築実務者たちは手をこまぬいていたわけではない。むしろ努力を惜しまず奮闘していた。
国家プロジェクトはなぜ白紙撤回を招く結果となったのか。問題の構図を取材するなかで、「ものづくり日本」が抱える課題が見えてきた――。
デザイン監修者のザハ・ハディド・アーキテクツをはじめとするプロジェクト関係者の証言などを交え、失敗の教訓を読み解く。
【主な内容】
第1部 幻となったザハ・ハディド案
・「新国立」ついに白紙撤回
・ザハ・ハディド事務所の蹉跌
第2部 失敗の連鎖で迷走
・「衝撃」のザハ・ハディド案
・建築家・槇文彦氏らの批判
・桁外れな巨大施設の試練
・旧国立解体で談合疑惑浮上
・ECI方式導入の賭け
・突如浮上した計画見直し
・「開閉屋根」の失速
第3部 新国立 失敗の本質
・リーダー不在が生んだ悲劇
目次
プロローグ 「新国立」見直しの行方
第1部 幻となったザハ・ハディド案
第1章 「新国立」ついに白紙撤回
露呈したコスト管理の欠如/安藤忠雄氏が語る デザイン選定の責任/客席1人当たりの単価は315万円/[当事者の証言] 猪瀬 直樹氏(作家、前東京都知事)
第2章 ザハ・ハディド事務所の蹉跌
「工期とコストは抑えることができた」/ザハ事務所スタッフが語る 施工側との不協和音で暗転/当事者の証言 内藤 廣氏(建築家、国際デザイン競技審査委員)
第2部 失敗の連鎖で迷走
第3章 「衝撃」のザハ・ハディド案
「日本の技術力示す」と安藤忠雄氏/ザハ案のイメージは「未来」「衝撃」/[囲み]国際デザイン競技の応募条件/ザハ来日「キャリアの原点は日本」/ザハ・ハディド氏が語る新国立に込めたダイナミズム/3次元モデルの操作は必須のスキル/[囲み]大手事務所が火花を散らした設計者選定/明らかになったコンペ審査の“激論”/[一覧]全46点の応募作品
第4章 建築家・槇文彦氏らの批判
巨大すぎる新国立に「待った」/床面積2割削減も膨らむ工事費/建築家諸氏へ「ザハに最高の仕事を」
第5章 桁外れな巨大施設の試練
景観配慮で建物高さを70mに抑える/基本設計が示した300m級の大アーチ/槇文彦氏が抱く「暗たんたる思い」/「民意の反映を」、事業者へ募る不信感/レガシーの視点で実りある議論を/[囲み]新国立は黒字?
第6章 旧国立解体で談合疑惑浮上
国立解体の入札で大失態/[囲み] 大規模改修をなぜ断念したのか
第7章 ECI方式導入の賭け
「新国立」設計改革の断/屋根は竹中、スタンドは大成に/調整続く新国立競技場/都が神宮外苑の再開発で覚書/当事者の証言 野城 智也氏(東京大学生産技術研究所教授)
第8章 突如浮上した計画見直し
国と都の対立の影に民間から新提案/「キールアーチが諸悪の根源」/総工費2520億円、財源「これから」/[当事者の証言] 安田 秀一氏(ドーム代表取締役)
第9章 「開閉屋根」の失速
デザインに賭けた新国立の誤算/ラグビーW杯会場の教訓/設計JVアドバイザーが語る先送りの真相/[識者に聞く] 西川 孝夫氏(首都大学東京名誉教授、日本免震構造協会前会長)
第3部 新国立 失敗の本質
第10章 リーダー不在が生んだ悲劇
無責任体制が招いた迷走/検証委・古阪秀三委員に聞く問題の本質/[当事者の証言] 槇 文彦氏(建築家)/無責任の構図を打破する志を
エピローグ チーム解散、新天地に挑む
年表
ISBN:9784822200572
。出版社:日経BP
。判型:4-6
。ページ数:304ページ
。定価:1700円(本体)
。発行年月日:2015年12月
。発売日:2015年12月10日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:SC。