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最新 糖尿病診療のエビデンス

著:能登 洋

紙版

内容紹介

糖尿病診療に携わる全ての医師・医療従事者にとって必読の書。
食事療法、運動、禁煙など患者指導から治療薬の選択に至るまで、日々の糖尿病診療で生じる疑問を、最新のエビデンスに基づき分かりやすく解説する。2015年改訂の国立国際医療研究センター病院「糖尿病標準診療マニュアル(一般診療所・クリニック向け)」準拠


糖尿病診療の究極の目標は、糖尿病に伴う血管合併症の予防にあります。特に近年注目されているのが、糖尿病によって発症や進展が促進される心筋梗塞や脳卒中などの、動脈硬化性疾患の予防です。糖尿病治療薬はどんどん新薬が登場していますが、実はその全ての薬剤で、動脈硬化性疾患の発症予防が証明されているわけではありません。大規模臨床試験によるエビデンス作りが、まさに現在進行形で進められているのです。ただし、その結果はEvidence Based Medicine(EBM)の言葉で伝えられるので、それを正しく解釈して日常診療に生かすには、ちょっとしたノウハウが必要となります。本書では、これを簡潔に分かりやすく紹介します。

本書ではEBM界の若手ホープである著者が、日々の糖尿病診療で生じる臨床的な疑問について、最新のエビデンスと診療ガイドラインをひもときながら分かりやすく解説します。『日経メディカル Online』で好評を博した同氏の連載をベースに、その後に発表された大規模臨床試験の結果や新しい糖尿病診断基準、診療ガイドラインを加え、全面的に刷新しました。一般診療所やクリニックを対象とした糖尿病診療ガイドラインとして広く知られている、国立国際医療研究センター病院による『糖尿病標準診療マニュアル』の最新版(第11版)が直近の2015年4月に発表されましたが、本書はこの最新ガイドラインの詳細も紹介しています。

研修医および糖尿病を専門としていない全ての臨床医を中心に、糖尿病診療指導士や看護師、管理栄養士、薬剤師など、糖尿病の患者指導に携わる医療専門職、製薬会社の医薬情報担当者を対象としています。治療薬の選択だけでなく、炭水化物制限の是非、運動や禁煙といった生活指導に至るまで、糖尿病の日常診療で生じる疑問を選び、解説していきます。「マルかバツか」という問いかけに図を多用して答えていくので、肩がこらずEBMの考え方や最新の知見、その解釈を知ることができます。

目次

はじめに

【総論. 1】
エビデンスの読み方・使い方
 ─ 数式なし!目からウロコの秘伝 ─

【総論. 2】
EBMの“十戒”

[付録]
糖尿病と癌

再掲図表
索引

≪Clinical Question≫ ○か×か?
Q. 1 血糖の厳格管理で死亡率は減る?
Q. 2 重症低血糖は大血管症リスク増加と関連する?
Q. 3 低炭水化物食を続けると死亡リスクが増える?
Q. 4 炭水化物制限の方が総カロリー制限より減量効果が大きい?
Q. 5 禁煙後の体重増加で大血管症発症リスクが増加する?
Q. 6 メトホルミンによる大血管症予防効果はアジア人でも実証されている?
Q. 7 SU薬による大血管症予防効果はRCTで実証されている?
Q. 8 αGIにより食後高血糖が改善すれば大血管症リスクが低下する?
Q. 9 DPP-4阻害薬による大血管症予防効果はRCTで実証されている?
Q.10 ピオグリタゾンの大血管症予防効果に関する日本人対象のRCTがある?
Q.11 SGLT2阻害薬によって血糖低下効果が異なる?
Q.12 インスリンによる大血管症予防効果はRCTで実証されている?
Q.13 血圧管理により糖尿病網膜症リスクは低下する?

ISBN:9784822200145
出版社:日経BP
判型:A5
ページ数:192ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2015年07月
発売日:2015年07月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MJ