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論理学をつくる

著:戸田山 和久

紙版

内容紹介

論理学って、こんなに面白かったのか! 出来あいの論理学を天下り式に解説するのでなく、論理学の目的をはっきりさせた上で、それを作り上げていくプロセスを読者と共有することによって、考え方の「なぜ」が納得できるようにした傑作テキスト。初歩の論理学が一人でマスターできる。

目次

はじめに

第I部 論理学をはじめる

第1章 What is THIS Thing called Logic ?
1.1 論理とは何か?そして論理学は何をするのか
1.2 論理の正しさをどこに求めたらよいか

第2章 論理学の人工言語をつくる
2.1 自然言語から人工言語へ
2.2 人工言語L

第3章 人工言語に意味を与える
――命題論理のセマンティクス
3.1 結合子の意味と真理表
3.2 論理式の真理値分析
3.3 トートロジー
3.4 「何だ、けっきょく同じことじゃない」を捉える――論理的同値性
3.5 真理表を理論的に反省する
3.6 矛盾とは何か
3.7 論証の正しさとは何か
3.8 論理的帰結という関係
3.9 真理関数という考え方
3.10 日本語の「ならば」と論理学の「→」
3.11 コンパクト性定理
3.12 メタ言語と対象言語をめぐって

第4章 機械もすなる論理学
4.1 意味論的タブローの方法
4.2 タブローの信頼性

第I部のまとめ

第II部 論理学をひろげる

第5章 論理学の対象言語を拡張する
5.1 なぜ言語の拡張が必要なのか
5.2 述語論理での命題の記号化
5.3 述語論理のための言語をつくる
5.4 タブローの方法を拡張する

第6章 おおっと述語論理のセマンティクスがまだだった
6.1 述語論理のセマンティクスをつくらなければ
6.2 セマンティクスとモデル
6.3 存在措定と会話の含意
6.4 伝統的論理学をちょっとだけ

第7章 さらに論理言語を拡張する
7.1 MPLの限界
7.2 PPLのセマンティクス
7.3 PPLにタブローを使ってみる
7.4 論理学者を責めないで――決定問題と計算の理論

第8章 さらにさらに論理言語を拡張する
8.1 同一性を含む述語論理IPL
8.2 個数の表現と同一性記号

第II部のまとめ

第III部 論理をもう1つの目で見る

第9章 自然演繹法を使いこなそう
9.1 自然演繹法をつくる
9.2 他の結合子のための推論規則
9.3 矛盾記号を導入した方がよいかも
9.4 述語論理への拡張
9.5 同一性記号を含む自然演繹

第10章 シンタクスの視点から論理学のゴールに迫る
10.1 公理系という発想
10.2 シンタクスとセマンティクス
10.3 命題論理の公理系の完全性証明

第III部のまとめ

第IV部 論理学はここから先が面白い! 進んだ話題のロードマップ

第11章 めくるめく非古典論理の世界にようこそ!
11.1 古典論理は神の論理である――2値原理と排中律のいかがわしさ
11.2 多値論理
11.3 直観主義論理
11.4 古典論理の拡張としての様相論理

第12章 古典論理にもまだ学ぶことがたくさん残っている
12.1 完全武装した述語論理の言語FOL
12.2 AFOLの完全性とそこから得られるいくつかの結果
12.3 第1階の理論
12.4 モデル同士の同型性
12.5 第2階の論理

第IV部のまとめ

付録
A. A little bit of mathematics
B. 練習問題解答
C. ブックガイド

著者略歴

著:戸田山 和久
1958年生
1989年 東京大学大学院人文科学研究科修了
現 在 名古屋大学情報学研究科教授
著 書 『知識という環境』(共著、名古屋大学出版会、1996)
    『誇り高い技術者になろう』(共編、名古屋大学出版会、2004、第2版2012)
    『科学哲学の冒険』(日本放送出版協会、2005)
    『「科学的思考」のレッスン』(NHK出版、2011)
    『科学技術をよく考える』(共編、名古屋大学出版会、2013)
    『哲学入門』(筑摩書房、2014)
    『科学的実在論を擁護する』(名古屋大学出版会、2015)
    『〈概念工学〉宣言!』(共編、名古屋大学出版会、2019)他

ISBN:9784815803902
出版社:名古屋大学出版会
判型:B5
ページ数:442ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2000年10月
発売日:2000年10月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDTL