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「母になること」の社会学

子育てのはじまりはフェミニズムの終わりか

著:村田泰子

紙版

内容紹介

母性信仰や三歳児神話――「子育ては母親がするもの」という世間からの圧力を感じながら、保育所に子どもを預ける女性たち。彼女たちの意識はどのように変化していったのか? 母親、保育施設スタッフの両者の聞き取り調査を通して、フェミニズムの視点から捉える。

目次

序 章 「母」というひどくつまらない存在

■第Ⅰ部 フェミニズムの母性研究、再訪
第1章 データにみる、日本社会における「女性の母親業」
第2章 女性の母親業を水路づける二つの社会構造
第3章 フェミニズムによる母性主義イデオロギーの批判的研究
第4章 母親の実践への注目

■第Ⅱ部 託児にふみきる
――認可外保育施設「子ども一時預かり施設 ばぁばサービスピノキオ」の実践から
第5章 調査の概要
第6章 「一時保育」をめぐる困難
第7章 親密圏の残骸を寄せあつめる
第8章 「移行期世代」の子育てから考えるピノキオの実践の近代性
第9章 託児にふみきる

■第Ⅲ部 2000年代以降の変化をめぐって
第10章 「団塊ジュニア世代」と産み育ての個人化
第11章 母親の就労の増加と「専業主婦」をめぐる社会的認識の変化

■第Ⅳ部 乳児をあずける
 ――認可保育所の「乳児保育」を利用する女性6名の語りから
第12章 調査の概要
第13章 「乳児保育」をめぐる困難
第14章 家族を運営する
第15章 「三歳児神話」を反復する、書き換える

終 章 ふたたび、「母」というひどくつまらない存在、
 ならびにフェミニズムの主体としての母親の可能性をめぐって

著者略歴

著:村田泰子
関西学院大学社会学部・社会学研究科教授。2003年に京都大学大学院文学研究科博士後期課程社会学専修を研究指導認定退学。2007年、博士(文学)。専門は家族社会学、ジェンダー研究。主な著作に『子ども虐待を防ぐ養育者支援-脳科学、臨床から社会制度まで』(共著、岩崎学術出版、2022年)、『社会学入門』(共著、ミネルヴァ書房、2017年)、『社会学ベーシックス5 近代家族とジェンダー』(共著、世界思想社、2010年)など。

ISBN:9784812222126
出版社:昭和堂
判型:A5
ページ数:288ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2023年04月
発売日:2023年04月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBS