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フードシステムノ未来へ 1

フードシステムの構造と調整 1巻

編:新山陽子

紙版

内容紹介

フードシステムの実際を分析し、システム全体の構造を明らかにする。また、実際に稼働する際に、どのように構造が調整され、システムとしての機能を維持するのか、最終的にどのように価格は形成されるかのを明らかにする。
現在のフードシステムにおいて、システムの実際に即して全体を論じたものはまだないといってよく、さらに価格形成まで踏み込んだモノは皆無と言ってよい。
本書は水準の高い専門書であるが、食の安全で安定した供給が求められる現代では、食品産業や生協、JAといった関係団体も避けては通れない問題となっている。

目次

シリーズ序 フードシステム研究の対象と方法
 第1章 フードシステム研究への構造論的アプローチ―フードシステムの存続と関係者の共存 新山陽子(京大名誉教授・立命大)
 第2章 フードシステムの垂直的調整―価格形成システム 新山
 第3章 フードシステムの垂直的調整-品質の調整システム 新山
第Ⅰ部 フードシステムの構造のコモディティ分析
 第4章 伝統産品:梅干しのフードシステム―「空間構造」に着目して 則藤隆(福島大)
 第5章 大かぶと千枚漬けのフードシステム―伝統地域産品の供給体制とその課題 大住あづさ(鹿児島大)
 第6章 コーヒーのグローバル・フードシステムにおける価格・品質形成の仕組み―「キリマンジャロ」のフェアトレードの意義と課     題 辻村英之(京大)
 第7章 日本向け台湾産マンゴーのフードシステム―F農産物輸出会社を中心とする取引経路とマージン 林とう茹(台湾)
第Ⅱ部 価格形成――交渉はどうおこなわれるか
 第8章 牛乳価格と酪農家の疲弊ー小売業者の低価格販売・消費者の価格判断・パワーバランス 新山
 第9章 生協産直における価格形成方法の実態―京都生協と生活クラブの産直牛乳取引を一事例に 松原拓也(三菱UFJコンサルティン     グ)
 第10章 鶏卵市場における食品小売業者の市場支配力の推計 多田正徳(兵庫県庁)
 第11章 小売企業による牛乳の買い手市場支配力と価格伝達 林田光平(東大)
 第12章 フードシステムにおける市場支配力・垂直的関係と農協 林田・鈴木宣弘(東大)
第Ⅲ部 品質調整――調整はどうおこなわれるか
 第13章 フードシステムにおける品質調整の課題と調整の枠組み―コンヴァンシオン経済学のアプローチを借りて 新山
 第14章 地域ブランドの品質規定における正当化の論理―賀茂なすの伝統産地と 興産地を一事例として 鬼頭弥生(京大)
 第15章 大かぶ取引における品質調整問題と組織化された品質調整システム 大住あづさ
 第16章 食品選択と食農システムの未来ー食農システムの調整と心理的行動、制度の役割 新山

著者略歴

編:新山陽子
京都大学名誉教授・立命館大学教授

ISBN:9784812219102
出版社:昭和堂
判型:A5
ページ数:410ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2020年04月
発売日:2020年04月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TDCT