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テクストと映像がひらく教育学

著:倉石 一郎

紙版

内容紹介

スクールカーストや教育システム、教師と生徒の関係などの教育学上の問題を、各章の主題に沿ったテクストの世界を味わいながら深く考察する。古今東西の文学・映画作品、上申書など広く教育をテーマとした作品を取り上げる。はじめて「教育学」にふれる学生に最適。

目次

■第Ⅰ部 教師の世界
第1講 教師生活は不条理の連続[坊っちゃん、炎上す](夏目漱石『坊っちゃん』)
第2講 教職の女性化と学校のケア機能[「五十三人の学級の母になりました」]
(平野婦美子『女教師の記録)
第3講 教師-生徒の人間関係学[なぜ生徒は授業中に内職できるのか?](W・
ウォーラー『学校集団』/E・ハンター『暴力教室』)
第4講 教師の限界[ジェントルマンの園から描かれる「無力さの物語」]
(P・ウィアー『いまを生きる』)
■第Ⅱ部 子どもの世界
第5講 長期欠席・不登校の壁にいどむ[子どもの生活というパンドラの函](無着
成恭『山びこ学校』、高知市福祉部会『きょうも机にあの子がいない』)
第6講 だれが進路を決定するのか[クリスとゴーディだけが田舎町を抜け出せ
た理由](S・キング『スタンド・バイ・ミー』)
第7講 マイノリティと学校[在日する者の声](朴鐘碩『民族的自覚への道:就職
差別裁判上申書』)
第8講 「スクールカースト」という擬似問題[格付け、そんなに気になる?](S・
キング『キャリー』/朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』)
■第Ⅲ部 学校というシステム
第9講 「非凡」を育てる教育、「平凡」を育てる人づくり[近代家族と学校の共
犯関係](柳田国男「平凡と非凡」)
第10講 もうひとつの戦後日本の教育改革[〈教権確立〉という野望のゆくえ]
(『第一次米国教育使節団報告書』)
第11講 教科書無償闘争から展望する未来[タダでもらってもうれしくない教
科書](高知追手前高校部落問題研究部作『たたかいは炎のように』)
第12講 社会移動と学校[アメリカ版『下町ロケット』の主役は黒人女性](I・メ
ルフィ『ドリーム』/ルーリー+ヒル『黒人ハイスクールの歴史社会学』)

著者略歴

著:倉石 一郎
京都大学大学院人間・環境学研究科教授

ISBN:9784812218068
出版社:昭和堂
判型:A5
ページ数:320ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2019年04月
発売日:2019年04月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNA