食べることをどう考えるのか
現代を生きる食の倫理
著:橋本 直樹
内容紹介
私たち日本人は、今は豊かで便利ではあるが、将来のことを考えると不安なことの多い食生活を、何を考えればよいのであろうか。私たちの先祖は、なにを考えて乏しい食生活に耐えて来たのか。古今東西の人々が食べるという行為に託してきた願いや役割、つまり、食べるということに関する思想の歴史を参考にして、現代の食生活を見直してみるた。
目次
はじめに 食べることをどう考えるのか
第1部 食べることを工夫して人類は進歩した
─ それは料理をすることから始まった
1 人類は料理をすることを覚えて進化した
2 仲間と一緒に食べることが社会の始まり
3 人類はなぜ農耕と牧畜を始めたのか
4 古代文明は農業を始めることから興った
5 日本の文明を興したのは水田稲作
第2部 食の在り方から社会の成り立ちを考える
─ 米作民族と牧畜民族の思想を比較する
1 農耕民族と牧畜民族は自然観が違う
2 米作りから生まれた農本思想
3 稲作で培われた地縁社会の思想
4 牧畜と肉食から生まれた人間中心の思想
5 牧畜民族と農耕民族では性意識が違う
6 ヨーロッパ人の人種差別意識
7 パン食から生まれた社会共同体意識
第3部 食べることをどのように考えて来たのか
─ 節食の思想から美食の思想へ
1 神人共食とはどういうことか
2 仲間と一緒に食べる共食の習慣
3 食のタブーとはどのようなものか
4 人肉食はなぜ行われたのか
5 肉食を禁忌する思想
6 ベジタリアニズムの思想
7 富と権力を誇示する豪華な宴会
8 朝、夕二食で我慢する節食の思想
9 キリスト教における食の禁欲思想
10 禅寺で行われている食事の修行
11 米作民族ならではの食の論理が生れた
12 茶の湯の思想とはどのようなものか
13 会席料理で大切にされるもてなしの
14 フランスで発達した美食の思想
15 古くから医食同源の思想があった
16 近代栄養学に基づいた食事思想
第4部 現代の食生活をどのように考えるか
─ 豊かな食生活を持続させるために
1 豊かで便利になりすぎて何が起きたか
2 食料が国内で自給できなくなった
3 食料の3割が無駄にされている
4 安心して食べ物が選べなくなった
5 人任せの食事を楽しむようになった
6 食べ過ぎて肥満と生活習慣病が蔓延している
7 家庭で食事作りをすることが減った
8 食卓に家族が集まらない家庭は崩壊する
9 飽食と崩食の混乱を改めるには
10 未来の食の在り方を考える
終わりに あなたは何を考えて食べていますか
参考資料
ISBN:9784811905242
。出版社:筑波書房
。判型:4-6
。ページ数:207ページ
。価格:2000円(本体)
。発行年月日:2018年01月
。発売日:2018年01月26日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC。