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日本農業  後編 

分析と提言

著:梶井 功

紙版

内容紹介

本書は、著者が協同農業研究会などで報告、講演を行なったものをまとめたもの。日本農業の構造変化、農業協同経営に関連しての農業基本法の改正への期待、農地制度改革と協同農業についての問題提起、「21世紀食料・農業・農村」と鹿児島、環境と農業・農学、農家とは、の6編を収録。

目次

第1章 日本農業の構造変化
 I.農地改革——戦後日本農業の出発点
 II.構造政策の展開——農地法制を中心に
  1.農業基本法——構造政策の提起
  2.構造政策——想定と現実
   (1) 構造政策──想定と現実
   (2) 現実を規定した諸要因
  3.52年農地法——自作農主義と賃貸借抑圧
  4.賃貸借を求めさせる経済的条件の成熟
  5.1970年農地法大改正——賃貸借容認法への転換
   (1) 耕作権にかかわる改正
   (2) 賃貸借関係拡大のための改正
   (3) 借地主体形成のための改正
   (4) 賃貸借拡大をあっせんする事業の創設
  6.農用地利用増進法——賃貸借容認から賃貸借奨励ヘ
  7.農業経営基盤強化促進法——選別政策の導入
 III.むすび——期待される農家像、生産組織

第2章 農業基本法改正への期待──農業協同経営に関連して(1997.12.1)
 1.はじめに——想定される「経営体」
 2.新農政での経営体育成の可能性
  (1) 農地面積の動く量的見通し
  (2) 5ha以上の経営体15万戸の形成目標
 3.水稲の作付規模別生産費
 4.大経営と全作業受託組織のコスト比較
  (1) 見地組合——大分県国東町
  (2) 堀川西営農組合——千葉県野栄町
  (3) 戸狩サンファーム——長野県飯山市太田地区
 5.農業生産の協同体制の確立強化を
  (1) 農事組合法人の協同体制の強化をはかる
  (2) 農事組合法人は、家族経営の拡大版程度の組織と、地域ぐるみの組織とに分けたい
  (3) 農用地利用改善団体の集落営農組織的な機能を見直したい

第3章 農地制度改革と協同農業——問題提起(1990.8.2)
 1.農地法はどんな条件下で何のためにつくられたか
 2.3条を構成するプリンシプルは何か
 3.「望ましい経営像」をどう描くか

第4章 「21世紀の食料・農業・農村」と鹿児島(2001.1.30)
 1.「食料・農業・農村基本法」は“未来への架け橋”を築けるか
 2.WTO農業交渉日本提案の実現は重要
 3.「食料・農業・農村基本計画」は21世紀デザインとして適格か
 4.21世紀鹿児島の農業・農村

第5章 環境と農業・農学(1992.5)
 1.20年前、ドイツの農家で聞いた話
 2.「農法」の形成——ヨーロッパと日本との違い
  (1) ヨーロッパの農法
  (2) 日本の農法
 3.日本とヨーロッパの特に大きな違い——「土地利用方式」の位置づけ
 4.農業経営学の責任と役割

第6章 農家とは(1995.2.24)
 はじめに
 1.農業基本法における家族経営
 2.“いえ”意識の変貌
 3.後継者と農業経営——ECとの比較


あとがき

著者略歴

著:梶井 功
1926年、新潟県生まれ。東京大学農学部農業経済学科卒業。東京農工大学前学長、東京農工大学名誉教授。主な著書に『梶井功著作集』全7巻(筑波書房)、『農業基本法制-問題点と改正試論』(編集、家の光協会)、『日本農業のゆくえ』(岩波書店)、『新基本法と日本農業』(家の光協会)、『もう一つの農政論』(農林統計協会)『WTO時代の食料・農業問題』(家の光協会)など多数。

ISBN:9784811902425
出版社:筑波書房
判型:A5
ページ数:224ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2003年09月
発売日:2003年09月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KN
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:TV
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:NH