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大学生のための基礎シリーズ

物理学入門II(第2版)(大学生のための基礎シリーズ5)

電磁気学

著:狩野 覚
著:秋野 喜彦
著:小川 真人

紙版

内容紹介

“物理学入門Ⅰ.力学”(関連書籍)の姉妹書.

高校物理未履修の学生でもよくわかるよう電磁気学の基礎から説き起こした入門書.多数の美しい図版が,読者の理解を深める.また,数学の基礎知識が乏しい読者にも理解できるよう必要な数学の基礎も巻末の数学ノートで解説する.

 

著者まえがきより: 旧版を使用した授業の経験から,現象の説明や数式の扱いについて旧版を全面的に書き直すことにした.授業に参加した学生のみなさんからたくさんの質問をいただき,その方々と個別に話す中で,予習・復習にはどのような説明があればもっと理解しやすいと感じるかを学ばせてもらったからである.たとえば,旧版では積分形式で簡潔に書いた内容を,新版では微分形式を使って説明した箇所が多々あるが,これは積分形を用いた議論に心理的な抵抗があるという相談が多かったことによる.もちろん,積分形式の議論を皆無にすることはできないが,新版に書き加えた説明を読み,経験を積めば徐々に慣れていくだろう.

目次

1.電荷と電流
 1.1 電気の科学の夜明け
 1.2 電気を担う粒子
 1.3 電流
 1.4 電荷と電流の単位
 1.5 連続的な電荷分布
 1.6 電流密度

2.電荷の保存
 2.1 1次元の電荷保存則
 2.2 3次元の電荷保存則
 2.3 発散定理

3.クーロン力
 3.1 クーロンの法則
 3.2 クーロン力の大きさ
 3.3 重ね合わせの原理
 3.4 電荷分布によるクーロン力
 3.5 クーロン力の位置エネルギー

4.静電場
 4.1 クーロン力から静電場へ
 4.2 ガウスの法則
 4.3 ガウスの法則と電場の計算
 4.4 微分形のガウスの法則

5.電位
 5.1 電位の定義
 5.2 電位と電場の単位
 5.3 電荷分布と電位
 5.4 等電位面
 5.5 電位の空間的性質
 5.6 電気双極子

6.静電誘導,導体と誘電体
 6.1 導体
 6.2 誘電体

7.電気容量,電場のエネルギー密度
 7.1 平行板コンデンサーの電気容量
 7.2 電気容量
 7.3 電気的エネルギー
 7.4 極板に加わる力
 7.5 電気容量の合成


8.オームの法則と直流回路
 8.1 オームの法則
 8.2 定常電流と導体内部の電場
 8.3 ジュール熱と電力
 8.4 直流回路
 8.5 起電力と内部抵抗
 8.6 回路網解析

9.磁場
 9.1“電気と磁気”から電磁気へ
 9.2 磁場と荷電粒子の運動
 9.3 磁場中の電流に加わる力

10.電流と磁場Ⅰ:ビオ・サバールの法則
 10.1 直線電流による磁場
 10.2 磁場の計算手順
 10.3 直線電流による磁場の計算
 10.4 円電流の磁場と磁気モーメント
 10.5 ソレノイドコイルの磁場
 10.6 “磁荷”と閉じた磁力線

11.電流と磁場Ⅱ:アンぺールの法則
 11.1 アンペールの法則
 11.2 アンペールの法則と磁場の計算
 11.3 アンペール・マクスウェルの法則

12.磁化Mと磁場の強さH
 12.1 磁化M
 12.2 磁化Mがつくる磁場
 12.3 HとB

13.電磁誘導の法則
 13.1 電磁誘導
 13.2 ローレンツ力による誘導起電力
 13.3 変動する磁場と誘導起電力
 13.4 コイルのインダクタンス
 13.5 空間の磁気的エネルギー

14.マクスウェル方程式
 14.1 電磁気学の基本法則
 14.2 電磁場の境界条件
 14.3 変位電流

15.交流回路と過渡現象
 15.1 交流回路素子
 15.2 交流回路
 15.3 交流電力
 15.4 電流・電圧の過渡現象と振動

16.電磁波
 16.1 波
 16.2 真空中の電磁波
 16.3 電磁波のエネルギー
 16.4 電磁波の反射と透過
 16.5 電磁波の発生

数学ノート
 M1 ベクトル
 M2 微分と近似,∇
 M3 ベクトルの微分
 M4 重積分,線積分,面積分
 M5 ディラックのデルタ関数
 M6 微分方程式とラプラス変換
 M7 複素指数関数

【BOX目次】
1 現代の生活と摩擦電気
2 電池
3 国際単位系(SI)
4 連続の式
5 クーロンの法則
6 遠隔作用と近接作用
7 電気力線
8 電子ボルト
9 水分子の双極子モーメント
10 多重極展開と電気双極子モーメント
11 キャベンディッシュの実験装置と電磁場のシールド
12 電気双極子の集まり
13 電磁場の振動数で変わる誘電率
14 マイクロホン
15 コンデンサーの応用
16 物質の電気抵抗
17 電力料金
18 接地
19 サイクロトロン
20 円運動をする荷電粒子の磁気モーメント
21 スピーカーと強磁性体,磁場の遮蔽
22 観測者の速度と電磁場
23 渦電流
24 相互インダクタンスとベクトルポテンシャル
25 運動する観測者から見た光の速さ
26 直線偏波と円偏波
27 電磁波の運動量と角運動量
28 導体の表皮効果と反射
29 ベクトルポテンシャルと電磁波の発生

ISBN:9784807920532
出版社:東京化学同人
判型:A5
ページ数:296ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2024年03月
発売日:2024年03月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PH