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現代化学増刊

相分離生物学の全貌(現代化学増刊46)

編:白木 賢太郎

紙版

内容紹介

勃興する相分離生物学の現状と展望を、多領域の研究者が自由なスタイルで解説。
新分野の研究を始める前にひも解く基本書でありながら、研究をしながら座右に置くアイデア辞典にもなる。

目次

1.相分離生物学とは

第Ⅰ部 刷新される既存の見方
2.生命のセントラルドグマとアンフィンセンのドグマ
3.核内の相分離
4.DNA,RNAと相分離
5.シグナル伝達と相分離
6.環境ストレス 応答と相分離
7.オートファジーと相分離
8.プロテアソームの液-液相分離
9.糖鎖の性質と液-液相分離
10.タンパク質への糖修飾と液-液相分離
11.補因子,補酵素の生合成と相分離
12.生命起源と人工細胞

第Ⅱ部 相分離メガネのかけ方
13.アミロイド仮説
14.相分離メガネをかけて見直す神経変性疾患
15.ポリグルタミンタンパク質の相分離
16.Low-complexityドメインとクロスβポリマー線維
17.非古典的な翻訳機構で産生されるジペプチドリピートタンパク質
18.細胞の老化とサイズ効果
19.クロマチン構造と相分離
20.減数分裂における液-液相分離の役割
21.核マトリックスと核メッシュ
22.幹細胞の仕組み
23.運動するオルガネラ 鞭毛,繊毛:ドロプレットから精巧な機械へ
24.脂質膜の相分離とその未来

第Ⅲ部 一対一から多対多へ
25.天然変性タンパク質
26.がん抑制タンパク質p53の液-液相分離
27.見過ごされてきたHeroタンパク質の機能
28.相分離抑制シャペロンとして働くインポーチンβファミリー
29.プリオンと相分離現象
30.生物学的な液-液相分離と分子シャペロン
31.相分離とスーパーエンハンサーによる遺伝子制御
32.ピレノイド: 光合成におけるCO2濃縮装置
33.酵素反応と液-液相分離
34. Gボデイ: 相分離とエネルギー代謝制御

第Ⅳ部 生物学的相分離の理論
35.アミノ酸の溶解度から考えるタンパク質の溶解性と安定性
36.タンパク質相転移の礎:フォールディング
37.高分子科学から見る生物学的相分離
38.バイオ界面における水の役割と機能
39.クラウディングの実験と理論
40.添加物の選択的相互作用
41.相分離生物学の発展に必要なピース:溶解度と過飽和
42.細胞様構造と相分離:モデル実験によるアプローチ
43.相分離ダイナミクスと空間局在の理論モデル

第Ⅴ部 相分離テクノロジー
44.生細胞内に人工ドロプレットをつくる:合成相分離生物学
45.膜のないオルガネラの人工的な作製とその応用
46.バイオ医薬品における液-液相分離
47.タンパク質の凝集や相分離への添加剤の影響
48.タンパク質-高分子電解質複合体によるタンパク質濃縮
49.DNAナノテクノロジーと相分離
50.タンパク質凝縮体
51.DNAの状態と電子移動
52.自己組織化ペプチドの設計と利用
53.ペプチド核酸と相分離
54.生命の起源研究と相分離

第Ⅵ部 相分離生物学の計測技術へ
55.相分離生物学と結晶構造解析
56.赤外分光法
57.液-液相分離を観測するためのラマン散乱
58.CARS顕微鏡
59.NMRによる相分離生物学の原子レベルでの理解
60.溶液散乱法Ⅰ:静的構造解析
61.溶液散乱法Ⅱ:動的構造を中心に
62.超遠心分析
63.画像相関分光法による細胞内ダイナミクス抽出法
64.液中電子顕微鏡の現状と今後の展望
65.クライオ電子顕微鏡
66.高速原子間力顕微鏡
67.圧力軸でみる液-液相分離
68.微小リアクターを用いた液-液相分離研究
69.過渡回折格子法
70.特徴パターンの認識
71.質量分析装置LC-MS/MS
72.相分離生物学における近位依存性標識法の利用
73.Lab on a chipによるマイクロ多相流操作を用いた相分離生物学の展開
74.ドロプレット形成のデータベースと予測
75.RNP顆粒研究を加速するトランスクリプトーム解析技術
76.一分子蛍光分光法を用いた天然変性タンパク質の構造計測
77.タンパク質の網羅的解析技術の現状と展望
78.粗視化分子動力学法
79.分子動力学シミュレーションで探る液-液相分離と凝集

ISBN:9784807913466
出版社:東京化学同人
判型:B5
ページ数:416ページ
定価:6800円(本体)
発行年月日:2020年11月
発売日:2020年11月16日